アニメ 単話感想 第1話まとめ

【超感想】『ヒプノシスマイク(ヒプアニ)』第1話 H歴の幕開け 死に立ち向かうは揃う1ダース

2020年10月4日

引用元:https://hypnosismic-anime.com/story/?id=01

いよいよ始まりましたTVアニメ『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- Rhyme Anima』。

僕も1人のコンテンツファンとして楽しみにしておりました。ライト寄りのオタクではありますが、毎話しっかりと感想をしたため行こうと思います。よろしくお願い致します。

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このブログのアニメ感想のスタンスは、基本的に「全肯定」です。
ネットの評判などに関わらず良いところを見つけ出し、最後まで褒め続けて行きます。

アニメの感想記事は原作の知識などに寄りすぎず、あくまでアニメから読解できる内容を中心に執筆を行います。是非とも楽しんで頂けますと幸いです。

まずは開幕した第1話「As soon as man is born he begins to die.」をしっかり楽しんで行きましょう。よろしければお付き合いください。

H歴の始まり

「現時刻を持ちまして、言の葉党が」
「政権を掌握したことをここに宣言致します」

物語は言の葉党の党首 東方天乙統女の宣言によって幕を明けます。

政権を掌握した彼女たちが掲げたのは、武力闘争をやめない男性から権力を取り上げ、武力を廃絶するための新法案「H法」。これが『ヒプノシスマイク』の世界設定の根幹である「H歴」の始まりとなりました。

純然たる暴力や武器を無きものとし、全ての闘争は言葉によってのみ許されるものとする。そのために生み出されたのが"言葉の力"を攻撃に利用できる「ヒプノシスマイク」です。

「戦争を止めない愚かな男共に替わって――」

このマイクを通して言葉を刃と替え、ラップという感情をストレートに表現できる手段を用いて新しい世界を生き抜いて行くキャラクターたちの物語。かくして『ヒプノシスマイク(ヒプアニ)』はスタートしました。

「――世界は女性によって新生する!」

ただの殴り合いよりも過酷で、武器を使うよりも激しい。そんな彼らの未来を切り開く戦いは、新しい時代と共に始まりのライムを刻み始めました。

原作を尊重した丁寧なアニメ化

第1話はH歴施行から3年後。
このアニメにてメインで活躍する4つの「ディビジョン(総勢12キャラ)」に均等にスポットを当てる展開に。

「イケブクロ」「ヨコハマ」「シブヤ」「シンジュク」の彼らを知る上で最も重要となる魅力や設定を、ひとまず知ることができる内容でした。

そして言葉を武器として戦うという非常に映像化が難しい作風を、どのような形式でアニメ化して行くのか。初見からディープなファンまで、誰もが全く見当もついていなかったであろう「方向性」が提示される、大変に重要な1回でもありました。

そもそも『ヒプマイ』はキャラが動くコンテンツがここまでほぼ存在しないままに、3年間で多くのファンを熱狂させ続けてきた作品です。あらゆる人がドキドキを抱えて迎える、そんなアニメだっただろうと思います。

打ち出されたアニメ絵は原作の立ち絵を尊重した美しい仕上がりで、ほぼほぼ元のイメージのまま彼らが動いていると感じた方が多かったのではないでしょうか。

また作品の要となるラップバトルシーンは、流麗な3Dモデルを利用した疾走感と迫力ある仕上がり。同じアニメの中でしっかりと美しさとカッコ良さの緩急を演出してくれています。

全ての原点となるミュージックPVの質感を踏襲しながらも、アニメだからこそ可能な動きのあるリリック表示。キャラの動きに合わせて印象的かつ的確に表現される彼らのパンチラインが、短い時間の中で完璧な高揚感を我々にもたらしました。

そして最後を盛り上げるのは謎の爆発オチ。
何故ああなるのか本当に分からないし、多分誰にも分からない。でも楽しい。それもまた大事な要素です。

「突然のラップで相手が悲鳴を上げて倒れる」というトンチキ感は、初期の『ヒプマイ』が多くの人を惹きつけた要素の1つなのは間違いないでしょう。それもアニメ的な表現でバッチリ(?)と体現。見る者に「やっぱこうでなくっちゃな!」と思わせたこと請け合いです。

トンチキノリの作品は、時を重ねて作品が盛り上がるに連れて「そうではない真面目な部分」を楽しむ人も増えて行くもの。しかしながら、やはり全ての導入となり得るアニメでは「トンチキ」も大事にしてほしい。

そんな様々な人の需要に応える作風で、『ヒプアニ』はスタートしたと思います。

では次の項からは、4つのディビジョンに着目する形で1話の内容を紐解いて行きましょう。

Buster Bros!!!

きりきり舞い キリがないな
一斉駆除がベストでしょ
ラストの一匹 すら残ってないな
Good Job!

「イケブクロ」を活動拠点に置く『ヒプマイ』の顔。
イメージカラーは赤の3人兄弟チーム「Buster Bros!!!」。

直情的でまっすぐなところが魅力な次男 山田二郎と、頭脳明晰で理論的な行動を好む三男 山田三郎。そしてその2人に半ば極端な信頼を置かれている長男 山田一郎の3人によって構成されています。

二郎と三郎は人間性の違いから衝突しがちなところがあるものの、もちろん心から嫌い合っているわけではなさそうで。同じ"兄ちゃん"を尊敬している手前、分かり合えているところもあるでしょう。

その一郎が絶対的エースとして君臨することで、兄弟の絆を強い武器に「イケブクロディビジョン」最強の地位をほしいままにしているチーム。それが「Buster Bros!!!」です。

一郎はモブレベルのチンピラでは、30人以上でかかっても傷1つ付けられないラップバトルの実力者。一方で二郎と三郎は目の前の集団相手に危機感を覚えていた面もあり、自分たちの実力に絶対の自信を持っているわけではないようです。

現時点ではあくまでも一郎の実力ありきのチームであり、それがどのように物語に作用するかに注目したいところです。

ラップバトルの決着演出は「青い炎の柱」。
1話の決着演出は同じ爆発オチで統一されていますが、演出の方向性はチームごとに異なります。

青い炎が赤い炎よりも高火力とするならば、彼らはその圧倒的な火力で敵を燃やし尽くすラップをぶつけているということでしょう。

敵を叩きのめすに一番簡単な方法は、純粋に火力を上げて焼き尽くすこと。小手先の技術や特殊な能力に頼るのではなく、ただ真っ向からストレートに自分たちの"言葉"をぶつけてやれば良い。

正統派ラップ集団である「Buster Bros!!!」が放ったのは、そんな意気の良いリリックである。あの火柱にはそんな意図が表現されていたのだと思います。多分。

長男の圧倒的カリスマに依存する形で結成された彼らは、チームの結束力という点では間違いない後ろ盾を持っています。しかし「身内」という括りは、戦いにおいて時に足枷を生み出すこともあるかもしれません。

そのジレンマの中で、彼らがどう努力し高みを目指すのか。若い彼らだからこそ見せてくれる世界があると思います。

その生き様をアニメで見られるのが今から楽しみです。

MAD TRIGGER CREW

ギャング ポリス ネイビー 揃い
踏む意味 nah mean?
鮮烈な 韻を揃え
踏む意味何?

警察官とヤクザと軍人。
「ヨコハマ」で活動する「MAD TRIGGER CREW」は、そんな荒くれ者の集団です。

ヤクザの若頭というアウトロー存在 碧棺左馬刻を筆頭に、武力が廃絶されたはずの世界で爆薬を調合して活用する元軍人 毒島メイソン理鶯。その爆薬による器物損壊の罪を、目の前の罪人に"ついでに"着せようとする悪徳警官 入間 銃兎。

決して交わることがないはずの相反する立場の3人が、利害の一致のみで堅い結束を結ぶに至る。権力さえも意のままに利用する彼らは、「ヨコハマディビジョン」最大の実力者として君臨しています。

しかし奏でるミュージックは決して荒々しい直情的なものではなく、全チームで最もオシャレで落ち着いた大人の雰囲気を醸しています。能ある鷹は爪を隠し、日頃の振る舞いからは余裕さえも感じさせる。そんな在り方を象徴しているかのようです。

決着演出は「武器による爆発」。
音楽から転じて、トドメの一撃は彼ららしい豪快なものに。

火力を上げて敵を焼き尽くすよりも、総合的な攻撃力で粉砕した方が確実に敵を屠ることができる。仕留める時は大胆に、燃えカスすらも残さない鮮烈な一撃を。戦闘のプロ集団である彼らが彼らたる由縁が表現された、見事な爆発表現でした。恐らく。

戦いを終えた後は、クールにシガーキスを決めるヤクザと警官。真逆の立場を持つ彼らが交わす無防備なやり取りには、プライベートな関係性の高さをも感じさせます。

大人の色気たっぷりな彼らですが、サバイバル生活に慣れ親しんだ元軍人が繰り出すゲテモノ料理にはさすがにたじたじ。悪気なくそれらを振る舞おうとする理鶯の姿がまた威圧感を持って立ちはだかります。

それを邪険にせず遠回しに回避しようとする左馬刻と銃兎の姿からは、彼らの根本的な優しさのようなものも感じれる…とも言えますし、そうせざるを得ないほど理鶯が"そういう人間"である…とも言えます。

分かりにくいようで分かりやすい。アウトロー故の結束の強さが魅力の3人が、今後見せてくれる魅力的なやり取りに期待が高まります。

Fling Poss

チクタク時間が無為に過ぎてくのさ
らしいっちゃらしいよね
楽しいよね いいんじゃない?

服飾をデザインし、カラフルな邸宅に住む飴村乱数。

彼の元にやってきたのは執筆活動を稼業とする和装に身を包んだ青年  夢野幻太郎と、一生のお願い(恐らく何度目か)で金を無心する無一文ギャンブラーの有栖川帝統です。

一見すると互いにあまり興味がなく、めちゃくちゃな関係に見える3人組。しかしその中には確かな信頼関係が宿る自由人の集団。それが「シブヤディビジョン」の「Fling Posse」です。

現に、幻太郎は乱数の「可及的速やかに集合」というメッセージを見て、執筆を中断したのは間違いありません。幻太郎にとって乱数は、仕事よりも優先したい関係性であることが分かります。

どうしようもない帝統の"お願い"にも「先週は金を貸している」幻太郎と、「今回を何とかしてあげようとしている」乱数の姿が見えるなど、それぞれがそれぞれを大切に思っているのは間違いないでしょう。

また乱数の家には、帝統の嗜むであろうスロットなどが置かれていることも見逃せません。彼の家は「3人が集う場所」として確実に機能しているのも見て取れます。

立場や血縁に何か強い結びつきがあるわけではないけれど、3人でいるのが何となく心地良い。不干渉であり過干渉。そんな人間らしい緩やかで強い関係性が魅力的な3人です。

また1話の中で唯一、ラップバトルではなくジャムセッションとしてラップを披露したのがこの「Fling Posse」でした。

基本的に『ヒプアニ』はバトルを軸に据えた形で物語が進行する作品です。その中で彼らは、戦闘に強いこだわりを持たないチームとして描写されています。

それでも彼らは「シブヤディビジョン」の代表として、今後戦いの渦中に身を投じて行くことになります。

それには何か理由があるのか、その中で彼らがどう振る舞って行くのか。

軽快でノリの良いエンタメ性を大事にした彼らのラップが、どのような表現に変化して行くのか。

そのギャップを物語の中で楽しんで行けるのが楽しみです。

麻天狼

かつて闇市 いまや立ち位置は
トウキョウの心臓 シンジュクタウン
幾多もの涙が溶け合う街
ゴミカスの詭弁などで誤魔化すな

反政府テロリストが跋扈する「シンジュクディビジョン」。
トウキョウの中枢となったこの街の代表となった3人組は、完全なる異彩を放った存在です。

シンジュク中央病院で医師として働く神宮寺寂雷と、そこに集う仲良し2人組の幼なじみ 観音坂独歩と伊弉冉一二三。

普段はブラック企業に勤め、クソ上司のパワハラに耐えながら生活する独歩は、その鬱屈した精神を武器に替えてラップバトルに挑みます。

片やシンジュクNo.1ホストとして女性を虜にしている一二三は、その服を脱げば極度に女性を恐れる二面性を持つ青年。プライベートの軽いノリと、仕事モードのセクシーさを大胆に使い分けています。

その2人が寂雷という"神"にも近しい目上の存在を崇拝することで成立しているのが、この「麻天狼」でした。

それぞれが持つ社会経験と人間性、それによって獲得している確かな語彙力。それらで演出された含蓄溢れるリリックが、重厚さを伴った唯一無二の世界観を表現しています。

勝利演出は「雷による爆発炎上」。
自然現象を利用して放たれる、狭範囲かつ高威力の一撃が炸裂します。

自身の力だけを用いず、人知の及ばぬエネルギーをさえも利用する彼らは正に"神"の現身とさえ言えるのかもしれません。美しい一本の柱となった彼らの攻撃は、多くを巻き込まず限られた相手のみを的確に撃ち抜きます。想像の範囲では。

彼ら(特に寂雷)は決して戦いを好みませんが、必要な場面で必要な力を振るうことの重要性を理解しています。その一見ドライに感じられる合理性こそが、ラップバトルにおける彼らの地力の強さとなっていると思われます。

たとえ自分が打破したテロリストであったとしても、治療の必要があればしっかりと対応する。その仁徳と他者への敬意を持って、荒くれ者の集団と相対する麻天狼。彼らの活躍にもまた期待しましょう。

おわりに

押さえるべきことを押さえ、映像化すべきところをしっかりと映像化する。

『ヒプアニ』第1話は、概ね多くの人が期待していたであろう『ヒプノシスマイク』の姿をしっかりとアニメ化してくれたと言って良いのではないでしょうか。

今回はあくまでも総合的なさわりにすぎず、ここからが彼ら4チームを中心とした激しいディビジョンラップバトルがスタートです。今回は有象無象を相手にワンサイドなやり取りが交わされたに過ぎませんが、今後はこれらがぶつかり合う熱い戦いが見られるはずです。

まだまだキャラクターの重要な部分もこれから開示されていくわけですし、エモいシーンがたくさん見られるのが楽しみです。

今後とも綿密に執筆して行きますので、このブログの『ヒプアニ』記事ともよろしければお付き合い下さいね。

また次回の記事でお会い致しましょう。それでは。

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はつ

『超感想エンタミア』運営者。男性。美少女よりイケメンを好み、最近は主に女性向け作品の感想執筆を行っている。キャラの心情読解を得意とし、1人1人に公平に寄り添った感想で人気を博す。その熱量は初見やアニメオリジナル作品においても発揮され、某アニメでは監督から感謝のツイートを受け取ったことも。

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