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ライブで知るミスチルの"心に届かせる"魅力『Dome Tour 2019 “Against All GRAVITY”』に行ってきた!

2019年6月1日

引用元:『Mr.Children"Against ALL GRAVITY"』ジャケット

 

『Mr.Children Dome Tour 2019 “Against All GRAVITY”』のナゴヤドーム公演に行ってきました。

ミスチルのライブへの参加はこれで5回目くらいです。まだまだ初心者のつもりでしたが、初めて参加してから何だかんだ10年くらい経ったのではないかなと思います。

Mr.Childrenというとドラマなどのタイアップで曲を全く聴いたことがないという人は少ないでしょうし、JPOPソングの代表格として未だ名前が挙がり続ける存在。しかし、ライブに参加して彼らのステージを見たことがあるという方ばかりではないと思います。

僕が今回のライブから感じたことを踏まえ、今までのライブ経験から感じた彼らの魅力を書き残していこうと思います。ミスチルの深い魅力を感じてもらえたら嬉しいです。

全てにおいて「Mr.Children」が徹底されたステージ

Mr.Childrenのライブの魅力は、ライブでも完全にMr.Childrenを体現してくれることだと思います。

ライブで見ると音源で聴くのとイメージが違ったり、楽曲とは違った人柄や魅力が見えてくるアーティストなどもいて、どちらかと言うとそちらが多数派だと思います。それを肌で感ることでよりそのアーティストのことを好きになるというのも音楽ライブに参加する大きな魅力の1つです。

しかしミスチルのライブは、どこまで行っても彼らがミスチルであることが分かる。本当の意味でひたすら彼らの音楽の力を届けてくれるライブだと言って良いでしょう。

楽曲で感じる彼らのイメージそのままに、より大きく拡がったミスチルの世界を堪能することができる。ミスチルの音楽を聴いたことがあれば、誰が行ってもその魅力を十二分に感じられるライブをしてくれます。

特にボーカルの桜井和寿については、MCまでMr.Childrenでいることが徹底されている。これが本当に凄いんです。

どう見てもその場で考えて喋っているにも関わらず、口から紡がれる言葉がミスチルの歌詞の世界観そのもの。喋りが上手いとかではなく、あの何となく不器用なのに何故か強く心に響いてくるミスチルの歌のような言葉を、優しく包み込むような声で我々に投げかけてくれる。

「あぁこの人がミスチルの歌を創っているんだな」と改めて実感する瞬間ですし、この人だからこそミスチルの歌が創れているとも感じられます。曲と曲の合間の時間でさえ、ミスチルの世界を決して崩さない。これをキャラメイクではなく、素の自分でやっているように見えるのが桜井さんの凄いところだと思います。

そしてメンバーであり演奏陣のギター田原健一、ベース中川敬輔、ドラム鈴木英哉の3名はほとんど自己主張することなく、ミスチルの音楽を体現することに全力を費やしている。特に鈴木さんは強烈に個性的な方でありファンの間でも有名ですが、音楽を奏でる時は良い意味で存在感を消すことができるから凄いなぁと。

昔から「Mr.Childrenは桜井和寿におんぶに抱っこのグループだ」などと揶揄されることもありましたが、むしろ彼らは進んでその役割を果たしているということはお伝えしておきたいところです。彼ら自身のした「Mr.Childrenでいることが一番である」「桜井という天才を立てることを何よりも考えている」といった旨の発言は方々に残っています。

このDVDではその発言を肉声で確認することが可能です。

バンドにおいて最も理想的な形態の1つは「リーダーが明確であってかつそれを全員が認めていること」とされています(バンドに限らず小集団全般に言えることですが)ミスチルはそういった点で確立されたバンドですし、だからこそ25年以上に渡って我々を同じように魅了し続けていると言えるでしょう。

ライブに来ると分かるそのアーティストの一体感は、観客全体にも伝わっています。ミスチルのライブのファンは比較的マナーが良いし、落ち着いていると思います。コール&レスポンスの際も少し上品。ロックバンドの観客としては少し物足りなさを感じなくはないものの(笑)皆が「桜井和寿の歌を聴きに来ている」「Mr.Childrenの世界を堪能しに来ている」と分かるのが心地いい。そんなライブでもありますね。

自分が求めているものを心に届けてくれるライブ

「ミスチルの音楽は心に響くものがある」

昔からそんなことをずっと言われ続けているMr.Childrenですが、ライブでの彼らはその魅力を何百倍にも濃縮したようなステージを届けてくれます。

正直なところ、僕は現在は滅茶苦茶ミスチルにお熱というわけではなく、新譜が出たらそれなりにチェックしアルバムが出たら購入して聴く…程度のライトなファンです。それでもライブが開催されることを知ると行きたくなってしまうし、チケットを頑張って取ろうとしてしまう。そんな魅力が彼らのライブにはあります。

言葉にしようと思うと難しいのですが「その時の自分が何を求めているのかが分かる」とでも言いましょうか…。行く度にハッとさせられる瞬間があるのがミスチルのライブなのです。

4年ほど前に参加したライブの際、僕は非常に色んなことに悩み鬱屈していた時で、彼らのステージはそんな僕が内に秘めていた感情を刺激してくれたような気がします。このライブの時は鑑賞しながらボロボロに泣いてしまいました。

2年前に参加した25周年記念ライブは、少し開けたところに感情があり色々と新しいことを始めようと考えている時期のものでした。このライブは全体的に元気な人気曲を中心に展開するライブだったのもありますが、とにかく楽しくて楽しくて清々しい気持ちで会場を後にしたのを覚えています。

そして今回参加したライブでは、自分の考えがある程度成熟したことで構えて見れるライブだったので、彼らが提示してくれた感情や希望をかなり潤沢に受け容れることができたなと感じました。心が大きく乱れることもなく、じんわりとミスチルの届けてくれたものを咀嚼する余裕があった。

この感想は、それぞれのライブの傾向にももちろん左右されています。特にこの5年ほどはMr.Childrenというグループにとっても激動の時間であり、彼らが伝えたいものもかなり尖っていたと感じます。でも心の振れ幅は自分を中心としたところにある。それを何となく思わせてくれるから、ミスチルのライブには何度でも行きたくなるのです。

ミスチルのライブは僕にとって、言わば自分の人生の立ち位置を確認しに行く場所になっていて、ただ楽しんで帰ってくるだけの場所ではなくなっていると、今回のライブで改めて実感することができました。

これは決して僕が往年のファンだから感じているというだけでなく、恐らく誰が行っても同じように感じることができるものだと思います。僕は長年の経験から分かったことをこうして言葉に残そうとしているだけで、心に引っかかるものの総量は誰が行っても等しく存在しているライブだと思います。

「なんか凄かった」というような漠然とした感動から少しずつ自分に変化が訪れることもあります。その受け取った感動が、どこかで価値あるものとして自分を動かす原動力になるかもしれません。軽い気持ちで観に来た人にも大きなものを感じさせられる、そんな可能性がミスチルのライブにはあると思います。

興味のある方は是非、ミスチルのライブに足を運んでみてください。チケットの入手は困難で必ずしも行けるわけではありませんが、複数申込や転売対策がどんどん強化されています。以前よりは公平にチケットが入手しやすくなりました。ダメ元で申し込んでみると意外と当たったりするものですよ!

おわりに

Mr.Childrenというバンドは結成から早30年を迎え、メジャーデビューから27年が経っています。メンバーも齢50を迎えようとしている方々です。ポップソング界では知らない人はおらず、ドームツアーをすれば余裕の完売。この長期間を最前線で活躍し続けている紛れもないモンスターバンドです。

その状況をして、彼らは決して満足していません。未だに「新しいMr.Children」を求めて研鑽を積み、日夜試行錯誤を繰り返しているカリスマを超えた存在です。

特にここ数年の彼らの意志の強さは目を見張るものがある。「あなた方のような物凄い方々にそんなに謙虚に上を目指されたら、我々のような凡人は一体どうして行けば良いんだ…」そんなショックまでもを受けてしまうような音楽とライブを常に打ち出し続けてくれています。

だからこそより胸に響くものがありますよね。ミスチルと言うとどうしても過去の名曲の名前が挙がりますし、僕らもそれを求めていますが、今の彼らはまた物凄い音楽を創っていると思います。そして、そんな彼らが奏でる過去の名曲を体感できるのがライブツアーです。

『Mr.Children Dome Tour 2019 “Against All GRAVITY”』はもう間もなく全日程終了してしまいますが、また遠くない未来に彼らの音楽を体感できる場が用意されることでしょう。その機会が来た時には是非、ミスチルのライブへの参加をご検討ください。

素晴らしいものが見られると思いますので。

  • この記事を書いた人

はつ

『超感想エンタミア』運営者。男性。美少女よりイケメンを好み、最近は主に女性向け作品の感想執筆を行っている。キャラの心情読解を得意とし、1人1人に公平に寄り添った感想で人気を博す。その熱量は初見やアニメオリジナル作品においても発揮され、某アニメでは監督から感謝のツイートを受け取ったことも。

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