あんさんぶるスターズ!

キンプリオタクの『おじさんといっしょ!!』ミリしら感想 "おじさん"を多角的に捉えた挑戦的作品【エイプリルフール】

2020年4月1日

『おじさんといっしょ!! わくわくみゅ~じっく』タイトル画面より

ご注意

この記事は『あんさんぶるスターズ!!』の2020年エイプリルフールイベントから着想を得た(重要)ネタ記事です。実際のゲーム内容とは一切関係がなく、この記事を読んでも当時のイベント内容は分かりません。

以上をご留意の上お読み進め下さい。

『おじさんといっしょ!!』マイナーチェンジリリースおめでとうございます!!

アニメを見終わり『ズ!!』にアップデートし、さぁこれから『あんスタ』の世界をより深く楽しんで行こうと思った矢先の出来事。正直困惑を隠せませんが、今日からは『おじいっ!!』(便宜上の略称)を楽しんで行こうと思います。

12日もメンテしてリリースした『ズ!!』を20日と経たずに組み替えてしまう大胆な戦略。やはり一時代を築く勝ちコンテンツを育て上げてきた運営のには常人の発想をはるかに凌ぐ領域が存在しますね。世界的経営学者であるピーター・F・ドラッカーは「問題解決を図るよりも、新しい機会に着目して創造せよ!」という名言を残しています。2020年という節目、動乱の最中で打ち出す全く新しい世界がここにある。乗り遅れるなよ☆

アプリ名はかの有名な教育番組『おかあさんと○っしょ』から着想を得ていると思われます。語尾に「!!」を付けることで元となったアプリの名残を残しつつ、男らしい前のめりな勢いを体現しています。似ているようで全く違うスタイルを追求する意思表示であることは火を見るより明らか、ラーメンのスープを「あと一口だけ…」と思いながらも結局飲み干してしまうことが確定しているより明らかです。

「!!」が無ければN○Kから抗議を受けても仕方ありませんでしたが、「!!」があることで『おじいっ!!』には十分なオリジナリティが存在すると言えるでしょう!!

おじさんといっしょ?

しかしここで大いなる問題があることに気付きます。何故タイトルが『おじさんといっしょ!!』なのでしょうか?(重大事案)

そもそも参考元である『おかあさんといっ○ょ』は、お母さんが出演しているわけではありません。お母さんと子供が一緒に見るから『おかあさんとい○しょ』なのです。

『おじさんといっしょ!!』もこの番組をリスペクトしているのなら、やはり基本コンセプトは踏襲していると考えられます。つまりこのアプリはおじさんが登場しているから『おじさんといっしょ!!』なのではなく、おじさんと一緒にプレイすることを考えて創られた作品である可能性が高いのです。

おじさんが登場してセンターを張っていることでそちらに気を取られがちですが、本当の狙いは別にある。なんて恐ろしい。目の前のおじさんよりも隣りのおじさん。ここに孔明の罠が仕掛けられています。

何よりこのアプリは表面的には分かりやすい要素で数多の女性を引っかけ、そのままクソデカ感情の応酬で底なし沼に落とし続けた『あんさんぶるスターズ!』を前身とする作品です。何も仕掛けられていないわけがありません。ほんわかとした空気こそ警戒しなければなりません。

では、一緒にプレイするおじさんとは何者なのか。それを考えて行きましょう。

『あんスタ』からのマイナーチェンジを果たしている以上、このアプリのメインターゲットは10代~の女性であることは間違いありません。女性の隣りにいるおじさん。架空存在としての定義について、あまりに慎重にならざるを得ない概念です。

若年層ファンも多いコンテンツだけに、隣りにおじさんがいる想定なのはおかしい気がします。いやおかしくないのかもしれない。そういう恋愛もある。歳の差カップル歳の差婚、若い女性の隣りで微笑むおじさん。探せばいる程度の存在になりました。

でも探さなければ見つからないような存在だけをターゲットにしては勝算はありません。もっと広い価値観で"おじさん"を捉える必要があります。

全てが"おじさん"になる

そこで気になるのが、どうしてタイトルを『おとうさんといっしょ!!』にしなかったのかです。お父さんと一緒に見るのであれば、不自然なことはなく(お父さんが存在する人であれば)誰もが作品に触れる機会を得られます。

にも関わらずわざわざ"おじさん"という言葉をチョイスした。ここに深い意味があるように僕は感じています。

熟考に熟考を重ねて僕が辿り着いたのは、やはり「前身が若い女性ユーザーが多いコンテンツであることを意識した結果である」ということです。

今や中学生の7割以上がスマホを持つ時代となり、アプリ作品に触れられるユーザー層はどんどん若年化しています。この『おじいっ!!』の運営に関してもそれは全く無関係ではないでしょう。

ともすればこれからの時代、小中学生にプレイしてもらうことまで意識した展開を行う必要があります。

多くの方はこの時点でお気付きになられたのではないでしょうか?そう、この年代のユーザーはいわゆる思春期のド真ん中。家にいるお父さんがなんか気持ち悪いおじさんに見えて仕方がない。できることなら同じ部屋にいたくない。お父さん臭い。同じ洗濯機で服を洗わないで(ありきたりすぎるイメージ)

この世代に対して『おとうさんといっしょ!!』なんてタイトルをぶつけたところで、心に響くわけがありません。「お父さん」という文字列そのものが卑しいものに見える、そんな多感な時期の女性を相手取るに当たって、タブーワードを使う必要はありません。

だから"おじさん"の言葉をチョイスした。
何故なら全国の"お父さん"のほとんど全てが"おじさん"だから。

"おじさん"は"お父さん"を包含する。

この事実に気付いてしまえばあとは簡単ですね?より広い層にターゲティングするためにタイトルは『おじさんといっしょ!!』に決定したわけです。この結論に至った時、僕の口から大きな声で「やられた!!」と漏れていたのは言うまでもありません。

ちなみに20歳を過ぎた男性はしきりに自分のことを「おじさん」と呼びたがる謎の病気にかかるため、20歳以上の男性は全ておじさんにくくることができます。つまり全ての世代は隣りにおじさんがいる可能性があり、「おじさんといっしょ」の空間共有が可能となっているのです。

非常にクレバーでストイックな戦略。やはり優れた経営や運営は、ゼロからこの論理を創造するからこそ成功できる。僕のような凡人には結果論を分析するので精一杯。脱帽です。

この記事を読んでいる貴女も、もしかしたら今正に隣りの"お父さん"を見ず知らずの"おじさん"だと思いたい人がいるかもしれません。今はそれで良いですが、必ずその感情には終わりが来ます。『おじいっ!!』はその大きなキッカケとなってくれることに間違いありません。

このアプリ『おじさんといっしょ!!』はそんな世の中の"おじさん"事情に一石を投じる、山よりも深く海よりも高い論理と理想が込められています。

明日からは是非そのこだわりに触れながらこの『おじさんといっしょ!!』をプレイしてみてください。きっと素晴らしいアンサンブルが、再び我々の現れることでしょう。

おわりに

Thank you & Good bye おじさん forever

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はつ

『超感想エンタミア』運営者。男性。美少女よりイケメンを好み、最近は主に女性向け作品の感想執筆を行っている。キャラの心情読解を得意とし、1人1人に公平に寄り添った感想で人気を博す。その熱量は初見やアニメオリジナル作品においても発揮され、某アニメでは監督から感謝のツイートを受け取ったことも。

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