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【ミリしら超感想】『アイナナ Third』第2話 「見えない傷」思惑逆巻く"千葉サロン"の影

2021年7月19日

引用元:https://idolish7.com/aninana/story/third/02

いよいよ幕を開いた『アイドリッシュセブンThird BEAT!』。

第1話はキャッチーな導入と諸々の方向性の提示を行ったプロローグ的な1回。この第2話「見えない傷」からが、物語の本題に斬り込んでいくストーリーになっています。

まずはやはりと言うか、2期から保留になっていた二階堂大和の周辺を取り巻く関係についてが話の主軸。新たに提示された情報も含め、しっかりと読み解いて参りましょう。よろしければお付き合いくださいませ。

二階堂大和と千葉サロン

3期序盤を見るに当たって、まず常に頭に置いておかなければならないのが「千葉サロン」という存在です。

大和の実父である千葉志津雄を中心とした何やら胡散臭い集まりで、芸能界でも多くの人が認知している暗黙の了解とされています。超大御所である千葉を守るためにあの手この手でもみ消されているようですが、その内情は推して知るべしというところでしょう。

それと同時に「二階堂大和が千葉志津雄の息子である」という情報も過半数の業界人には認知されている様子。しかしながら2人の親子関係が良好ではないことは秘匿されてもいて、かなり複雑な背景事情がほのめかされています。

義理人情で"一座"を作り上げて来た芸能界の二大巨頭 星影芸能事務所の「身内を大事にする」という方法論が生み出してしまった、あまりにも大きすぎる爆弾。それをビジネス思考でトップに登り詰めたもう片翼・ツクモプロダクションが利用しない手はありません。

今のところ星影が当て馬にされてツクモが主導を取る未来の方が予見できることもあり、そのために大和が利用される流れはやはり想像の範疇です。そうなって来ればアイドリッシュセブンも決してノーダメージというわけには行かず、厳しい展開が待ち受けているでしょう。

何よりも、この一連の事実をアイナナのメンバーは全く知り得ない状態でいるというのがあまりにもハイリスク。問題が明るみに出てから彼らに伝わるのでは遅すぎる。そうなる前に、彼らが正しいコミュニケーションを取れることを祈るばかりですが…。多分…恐らく…そうは…な……

秘密を知ってしまった2人

1話終盤にて和泉三月と六弥ナギの2人は、大和と星影の会話を耳に入れてしまい。「千葉サロン」という存在を、図らずとも聞き及ぶ立場になってしまいました。

友人が隠し事をしていると分かれば、相手を想う気持ちは様々な行動に繋がります。ナギはその秘密の内容をオープンにするよう大和に迫り、一方で三月は自分から言い出してくれるまで待ちたいというスタンスです。

ただしナギは秘密を知りたいと思っているのではなく、それを隠すことでメンバーの空気が悪くなることを危惧しているようでした。「深い関係のはずなのに、話してくれないことがある」という事実は、双方の信頼関係にヒビを入れかねないものです。

特に秘密の存在が知られていないならまだしも、「隠している」と知ってしまった相手にさえ話そうとしないのは問題です。そうなれば「話せない理由がある」と考えざるを得ず、それが自分たちに対する不信感であるという見立てを完全に消すことはできません。

ナギは大和が、そういう状態をそのままにしようとしていることに納得できないという考えです。コミュニケーションをしっかり取って、周囲との関係性を良好にしようとするのは六弥ナギの長所でしょう。彼らしい考え方で、そこに直情的な相手への想いを垣間見えます。

対して三月は、大和の秘密が「それだけ自己解決に時間がかかる問題」と判断。あえてそれを聞き出そうとはせず、大和を待つことを選びます。

弱い自分、他人に見せていない自分を、誰かに"分かられてしまう"というのは恐ろしいことです。その自分を自分自身が愛せないからこそ、他人にも愛されないと考える。全てを吐き出したところで相手が受け入れてくれる保証はないからと、ひた隠しにしてしまうのが人間です。

常に自分を曝け出している人と違い、隠し事をする人はそれだけ鬱屈した感情を溜め込み続けているものです。溜まったものを一気に処理するのはそれだけ勇気と努力が必要なことで、ナギのような人間にはその重みが実感できないところもあるでしょう(ナギはナギで色々隠している?とは思うのだが…)

三月はその大和の苦悩を分かってあげられるからこそ、勇み足で彼の中に入って行こうとはしませんでした。自分たちが「待っている」ことを大和が分かってくれていれば、必ず来るべき日は良い形でやってくると信じているからだと思います。

三月は過去に独りでどうしようもなくなった時、ナギが寄り添ってくれたことで救われた経験を持っています。そこから自分を曝け出すことの重要性を理解してもいて、しかしそれは然るべきタイミングを迎えてこそ意味があると感じているようにも思います。

本当に自分だけでは落ちていくしかない時期にナギが全力で手を取ってくれたから、三月は自分を曝け出すという選択を取れたはず。そして三月の見立てでは、大和のそれはまだ「その段階ではない」と見えるのでしょう。

救い救われたの関係がある三月とナギだからこそ、より深いところで大和の秘密について語ることができる。当時の経験があるからナギも三月の話は傾聴せざるを得ないし、三月はそのナギの気持ちを理解した上で違う価値観を提示することもできる。

理想的なやり取りがそこにはある…と言えますが、三月の考えにも「いつまで待てるか」という問題が付きまといます。そして外部からその話題を持ち出される機会が増えれば、自ずと大和への疑心も募って行きます。

相手が自分と違った人間である以上、想像通りの結果を招くとは限らないもの。三月はそうでも大和はそうとは限らない。待ったところで良い結果に繋がることは絶対ではない。その不安定さを抱えながら、この問題がどこに行きつくのか。それには気を配っていく必要がありそうです。

千の才能 Re:valeの関係

第2話では、2期で大きな壁を乗り越えたRe:valeの在り方にもスポットが当たります。

万理がMEZZO"のマネージャーとなったことで3人が顔を合わせる機会も増えそうで、今後はより多方面に渡った関係性の発展も見られるでしょう。

2期の時点から大和の過去の関係が示唆されている千は、前述の千葉サロン関係の問題にも絡んできます。今回では大和に対する演出・演技指導の流れの中で、千が持っている才能の在り様にも触れられています。

才ある芸能人は流れていく川。
誰かの元に留まれないし、誰かが留まることもできない。

流れが淀めば水は濁って汚れてしまう。そう分かっているから、愛する人ほど惜しまず去っていく。そういった言葉で、映画監督は千のことを表現しました。

単純に考えれば、芸能人としての在り方と魅力に執着されることで、その幻想を見ている人に誤解されてしまう。そういう人たちは相手を好きなままでいたいから、幻想が壊れないうちに周りから離れていく。という解釈になるような気がします。

ですがそれは割とあり触れた解釈であり、わざわざ彼らを"川"と表現して遠回しに言うほどのことではないのかもとも思います。ということで、もう少し拡げた解釈もこの記事には書いておこうと思います。

まず流れてゆく存在に人を例えることは、誰よりも速く前に進んでいってしまうという意味を孕むでしょう。

一流芸能人のような強く深い感性を持っている者は、1つの物事から他人より何倍も多くのことを感じ取ります。それらを思考して整理し、肥やしとして自身の中に取り込んで行けば、常人には追いつけないスピードで価値観や人間性が変化して行くはずです。

結果としてその時その時では最良の相性を持つ相手を見つけられても、それが長く維持されることはないということです。目まぐるしい変化を伴う才覚者であればあるほど、1つの場所や相手に留まることはどんどん難しくなるでしょう。

加えてクリエイティブの最前線に属す芸能人は、感覚的なことについては一般人の何倍も何十倍も"濃い"ものを浴び続けています。

つまりは鋭い感性を持った上で、触れるものさえも純度の高い芸術で覆い尽くされているのです。それを通常の感性+同様の経験ができない立場の人が、完全に包み込んで理解するのは大変難しいことだと思います。

故に彼らは孤独。
1つの場所・1人の人を求める相手とは相性が非常に悪く、常に違う誰かを見つける人生を歩まねばなりません。

そしてその途中で彼らを捕まえた人間は、前に進んでいる輝かしい彼らの魅力に惹かれているところがあるものです。彼らがより高次の存在となり自分では不釣り合いだと感じるようになれば、後ろ髪を引かれる思いはありつつもそこから離れる選択をすることもある、という感じでしょうか。

才能を持つからこそ成長と発展という宿命から逃れることはできず、停滞と安定を望む人の期待に応えることはできない。もちろんそれによって、恨みつらみを買うことも少なくはないはずです。

そんな哀しみを背負い、それでもその世界で生きて行かなければならない人もいます。そしてその生き方を願ったわけでもなく、否応なく強いられる人もいるのかもしれません。

「百…僕が川だとして…」
「川?いきなり?」
「百はどうする?」
「え?泳ぐ?釣りする?ラフティングできる?」

そんな時。常に隣りにいて付いてきてくれる人が、どれだけの心の助けになることか。これはその立場になったことがない人は、きっと到底想像できないことなのだと思います。

「全部できる設定」
「やったー!じゃあリバーサイドで暮らす!」

同じ"世界"を見て、同じ経験をして、同じように成長する。

わずかなズレさえもなく、それぞれの人生を共有して。無理なく共に在ろうとしてくれる相手がいてくれることで、自分は孤独ではないと痛感できる。

「…良かった」

一度はパートナーを失って心折れかけた千にとって、今の百の対応から覚える安心感はまた尋常ではないはずです。

多くを語らずとも、たった1つのやり取りに今最も求める答えを返してくれる。それも意識的ではなく無意識に。

紛れもなく百が千にとって、今を共に歩くベストパートナーである。そんな事実をわずかな時間で見せてくれる、そんな幸福なやり取りがそこにはあったと思いました。

月雲了と百の関係

ツクモの次男である月雲了は、百を家に招き入れて(1話の台詞通りに)焼き肉を振る舞います。

豪勢なタワマンの一室に男2人、そこそこの大きさのホットプレートで肉を焼くという光景がやけに珍妙で。了自身のキャラの濃さと見せ方も相まって、どことなく常にゾクゾクとした感覚が胸の内を襲います。

百は持ち前の明るさを活かして了の懐に飛び込み、当然のように家に1人招き入れられるほどの関係性を構築しているようです。半額の柏餅を手土産に持って行って許される辺りも彼らしさ。恐ろしいことをする。

その関係性ありきでRe:valeはツクモとギリギリのやり取りを行えていて、逆に千は星影に気に入られることで中立を保っているとのことでした。ですが千が百と了の交友が深まることに難色を呈している辺り、事務所一丸となった戦略的展開というわけではないのかもしれません。

ただ、ビジネス色の強いツクモの経営側の人間に取り入るためには、ある程度打算的な振る舞いが必要でしょう。そう考えると、百はRe:valeの理を考えて了と繋がった側面もあると考えるのが自然です(※了の台詞上ではその思惑が見透かされている)

千は下積み時代から千葉志津雄との付き合いがありますし、ナチュラルに振る舞っているだけでも星影に気に入られそうな青年です。加えて、人間関係を器用に築き上げられるタイプではないようなイメージがあります。

それを感じ取って百が「自分はツクモ側と交流すべき」と考えたのであれば、やはりRe:vale、ひいては千は百のクレバーなところに支えられているんだなと改めて思わされます。

百は旧Re:valeのファンだった少年ですから、あの元気っ子キャラは完全に天性ではないはずで。2期の物語でも、非常に自分の存在軸や立ち位置に敏感な一面がフィーチャーされていた印象。その性質が、芸能界を上手く立ち回るという分野では"才能"として発揮されているようでした。

百は2期ではそのバックボーンがストーリーの中心にあっただけに、恐らく3期は少し外れたところでの活躍が多くなると想像しています。2期とは違った人間的な一面を、たくさん見せてくれたら嬉しいなと思ってます。

悪辣なビジネスモンスター

芸能界をしたたかに立ち回る百は間違いなく優秀であるものの、彼を招いた月雲了はやはり「人を利用する」という点では一歩上を行きます。

百は「人付き合いに打算を取り入れることができる」であるならば、了は「打算で人間関係を作れる」と言ったところでしょう。

ここまで百が仲良くやってこれた辺り、了の百への対応は(表面的には)良好な友人関係と言えるものだったのだと思います。そういうものを嗅ぎ分ける嗅覚は、百も鋭そうだと思うからです。

しかしここに来て了は、百を自身のビジネスの駒として利用しようと考えます。自身が事務所の社長となり、全てを牛耳る側に立つ算段がついたからのようです。

外的にはビジネス志向のツクモと言えども、取締役の決定はやはり世襲制。日本企業らしい悪体質であったことが、了の精神を逆撫でしました。

次男という立場のせいで会社を継ぐことができなかった了は、そこから頂上に登り詰めるだけのものを蓄えてきています。既定路線の社長就任劇の間に割って入るには、親子の情が介入できないレベルまで論理を積み上げることが必要だからです。

その結果として了は最大限にドライかつ残酷な手法で自身を演出する、悪辣極まりないビジネスモンスターと化したと考えられます。

自身の方法論で王道を破壊し邪道から登り詰めた了は、自分のやり方に絶対の自信を持っていて然るべきです。ともすれば芸能界(※ビジネス)の頂点に君臨するために、あらゆる手段を講じて敵対者を亡き者にしようと動くでしょう。

自分がトップではなかったせいで手を回せなかった部分や、大きく出られなかった事柄を整理して。最終的には全てを飲み込んで、絶対王政を敷くところまで了のビジョンには存在している気配があります。

そのレベルにまでなってくると、もはや近辺にいる存在はその意思と関係なく彼の駒にされてしまいます。

上手く取り入っていたつもりの百も、より位を上げた了の前ではもはや体の良い存在に過ぎず。むしろ「近付かない方がマシだった」という状況さえ招きかねません。

星影芸能を潰すため、スキャンダルの塊である千葉サロンの決定的な情報を掴む。それが月雲了が考えている巨星崩落の一手。そのためにはアイドリッシュセブンに属する二階堂大和の生告白音声が必要である。

それならば。アイドルとして彼らと深い交流があるRe:valeの百は、今の了が最も利用すべき存在に他なりません。

そのあまりの邪悪さを前にして、ストレートな悪態をつく百の発言など全く意に介さず。ただただ幸災楽禍の"取引"を百にチラつかせます。

いくら"友人"の頼みだと言っても、あのRe:valeの百が、自分たちの理を優先して後輩を売り飛ばすことなど考えるはずがない。そう確信に近い想像があったとしても、どこかで「百は靡いてしまうかもしれない」と思わせる恐ろしさが月雲了には存在しています。

それにその"取引"を断ったとしたら。
一体どんな悪意がRe:valeの方に向けられてしまうのかがまるで想像できません。

その可能性を頭に控えさせながら、月雲了と百の関係性に目を配って行こうと思います。そこには、了のより深い人間性を感じ取れるヒントがありそうだと思うからです。

おわりに

2話で既に密度がヤバいので、まだまだ語りたいことはありますが…。2話からあまり書き込んでしまうと息切れしてしまう都合、記事としてはこの辺りで収めましょう。事務所のしがらみや陸と一織の関係性、謎が多い棗巳波くんのことやアイナナの抱えるリスクなどは、この先でも語れる機会があると思っています。

個人的には九条鷹匡の早すぎる再登場に色んな意味で湧いています。全体的に悪役濃すぎない?「…なんだい男子高生?」こわ。あなたが"男子高生"って言うと絶妙に気持ち悪いからやめてほしいんだよね。

アイナナは感想動画の方も展開しているため、そちらでは全体の要素に喋りで満遍なく触れています。記事に書き込まれていない部分の反応なども一部あるため、ご興味の湧く方はそちらの方も合わせて楽しんで頂けますと幸いです。

3話以降もバリバリ書いて喋ってを繰り返して行きます!どんなことが起きるのか楽しみです!

それでは今回はこの辺りで失礼致します。超感想エンタミアのはつでした。また次回~!

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はつ

『超感想エンタミア』運営者。男性。美少女よりイケメンを好み、最近は主に女性向け作品の感想執筆を行っている。キャラの心情読解を得意とし、1人1人に公平に寄り添った感想で人気を博す。その熱量は初見やアニメオリジナル作品においても発揮され、某アニメでは監督から感謝のツイートを受け取ったことも。

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