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【超感想】『Fairy蘭丸』禁忌其の拾「快楽」溺れる者信じる者 交錯する"家族"への想い

2021年6月19日

引用元:https://f-ran.jp/story10.html

当番回2周目もいよいよラスト。話数も10話の大台に乗り、いよいよクライマックス目前と言った空気になって参りました。

その大トリを務めるのはやはり、金鋼族の雅楽代寶その人です。

他のメンバーより年齢も高めで行動も読めず、1人だけ女王や豊穣から諸々の真実を知らされている夭聖。その内情こそ他の4人は知らないものの、単独行動を旨としていることは最早「いつものこと」と受け入れている様子です。

自分だけ多くを語らずでやってきた寶のことを、4人も改めて詮索しようとすることはないようです。安定と言えば安定、それで良いのかと言われれば何とも言えない。そんな状況から始まる第10話。禁忌其の拾「快楽」の物語を、しっかりと紐解いて参りましょう。

雅楽代寶の生き方

物語も佳境に入り、伏せられた思惑や夭聖界を取り巻く事情についても取り上げられる機会が多くなりました。寶はこれまでもそういった内容が取り上げられるたびにキーマンとなり、その情報を1人で抱え込んだまま活躍を続けてきています。

焔とうるうを取り巻く事情についても1人だけ詳しかったようですし、女王からも天狼院シリウスに関する特命を受けています。さらに今回は女王の側近である御守豊穣の方から、女王にも秘匿している極秘任務が与えられていることも判明しました。

その上で愛著集めも1人分は当然こなさねばならず、何故か5人の食事周りまで一任されているというなかなかの任せられっぷり。状況的に彼に背負わせるしかないことも多いとは言え、やらなければならないことの多さは4人の比ではありません。

その中でさらに時間を捻出して女性と夜を共にできる辺り、要領の良さは文句なしと言えるでしょう。豊穣からは「根は真面目で使命には残酷なまでに冷淡。感情に流されない」という評価も受けており、あれで信頼は厚いようです(※そもそも5人の選出は豊穣が行っている)

そして今回は寶が5話にて斡旋を行っていた弁護士が再登場。彼の正体は、なんと(?)堕天した元夭聖でした。

その力を利用して人間界で私腹を肥やしていて、寶は人間界での世渡り方法を彼に仕込まれたとのことでした。寶の飄々とした態度は、彼の元で学んだことが大きく影響しているのでしょう。

それと同時に寶は少年時代から人間界で行動していたことがあることも判明。「しっかし俺も、随分長いこと人間やってるなぁ」という台詞から、人生の大半を実は人間界で過ごしていた可能性も浮上しました。

現在の役回りを考えると、夭聖界側から罰を与えられたという雰囲気ではありません。となると、離反を起こした金鋼族のならず者による島流し、もしくはそれに準ずる一族全体への処罰の巻き添えになったなどが妥当でしょうか。

弁護士の堕天理由も寶の父親が関係しているとのことですし、派閥争いによって一部の夭聖が憂き目にあったこと自体は間違いなさそうです。

弁護士も一見するとあまり良い元夭聖には見えないのですが、真の悪人ならば寶も依頼人の後対応を任せることはなかったはずです。

堕天していない=何らかの命で人間界に降ろされた(※予想)寶と交流を持ち、シリウスの捜索に協力的な態度を見せているなど、本質的には善意的な行動の方が目につきます。寶と同じように、表向きの態度と裏側の人間性が大きく異なるタイプの元夭聖なのかもしれません(※憶測)人は見かけによらない…ということでしょうか。

少なくとも現時点では寶が人間界で唯一助力を乞うている人物であり、それなりの信頼関係が2人の間には存在していると見るのが自然です。夭聖界を取り巻く事情などと絡めて、金鋼族の在り様には今後とも注視して行く必要がありそうですね。

恋は盲目 愛は儚く

第10話にて寶が出会った女性 ティナは、ポールダンサーとして生計を立てる傍ら、1人の赤子を育てている母親でもあるという女性でした。

子供の状況的にまだ出産して数ヶ月と言ったところでしょうが、既に一線で活躍できるまで仕事復帰できているのは驚きです。体型の回復と維持だけでも地獄のようなトレーニングが必要でしょう。背に腹は代えられぬとは言え、尋常ではない努力が裏に隠れていると思います。

その実力も人柄も仲間からしっかりと認められる強い女性で、子供にも大きな愛を注ぐ良い母でもあります。そしてこういう非の打ち所がない女性ほど、悪い男(駄目な男)に引っかかりやすいというのも世の常なのかもしれません。

彼女が交際している男性 妻原は「自称小説家のクズ男」「どうしようもないクズ男」です。公式ページのあらすじにそう記載されています。なかなか珍しい言われっぷりなのではないでしょうか。

実際どの程度クズなのかは、まぁ子供が生まれたのに籍を入れようとしていないだけでも十分に察することができるでしょう。その上わざわざティナの職場まで出向いて彼女に金をせびり、それを知っている従業員からは厄介者扱いされている始末です。

当然ながら彼は小説家を気取っているだけで、まともな作品創りに勤しんでいるわけではありません。家に引きこもって真面目に小説を書いている人間なら、交際相手に大金を要求する必要などあるはずもなく。家から出なさすぎて、体調を心配される方がよっぽど"まとも"だと思います。

よってこの手の自称夢追い人が他人に金銭を要求する理由は、往々にして快楽のためと相場が決まっています。僕の周りにも彼女のクレカを使い込んだり、財布から金を抜いたり、彼女の家に転がり込んで家賃を払わないようなのが現れてゾッとしたことがあります(※全員縁を切りました)

妻原も例外ではなく、ティナから貰った金でギャンブル(しかも違法賭博っぽい)に勤しむ日々を送っていたようです。「小説家になる」という夢を応援してくれているティナの気持ちを裏切って、働きもせずにただただ自分が気持ちよく生きることだけを考える。そんな絵に描いたようなクズ男の姿がそこにはありました。

冷静に考えれば、妻原が社会人としても夢追い人としても"まとも"ではないことは、実力社会で生計を立てるティナには分かっていたはずです。しかしそういう時にも「冷静になれない」のが、恋愛の怖いところだと思います。

正に「惚れた腫れたするくせに ほんとんとこわかっちゃいない 愛は迷路どこまでも 出口なんかありゃしない」です。どんな相手でも一度惚れたら最後、嫌いになるまでその相手に執着し続けてしまうのが色恋沙汰です。

「愛の為なら、正体なんて気にならん…か」

周りから見ての良い悪いではなく、自分から見た好悪でしか相手のことを判断できなくなる。頭では理解できていても、心がそちらに動くことを止められない。故に恋愛は当人間でしか解決することができず、その先では後悔と絶望に苛まれることも少なくありません。

その顛末を客観視する機会を多く持ってしまう人ほど、恋愛に対してあまり大きな願望を持たなくなってしまいます。

むしろ「こんな風になるくらいなら、愛なんて求めない方が良い」とドライになってしまうことさえあるでしょう。

「俺が欲しいんは…何やろなぁ」

寶もそういった1つ1つの経験の積み重ねによって、人との関係性を割り切って捉えるようになったのかもしれません。近付きすぎれば情にほだされボロを出す。それを自分で理解できる範囲で、距離を置くことを良しとしている節があります。

第5話で見せた依頼人への気配りは、とても無情で冷淡な人間のすることとは思えませんでした。本当は情に厚い人間で、そんな自身の感情を律するために必死に努力している。それが雅楽代寶の本懐に存在しているように思えるのです。

どうしようもないクズ

妻原はその後も生活を改めることはなく、ティナと籍を入れないままに金をせびる生活を続けます。当然、小説で賞を取るということもありません。

そんな折、ティナは職場のホールスタッフから、妻原には他にも子供を作っている女性がいることを告げられます。見せられた写真に写る子供の年齢は4~5歳程とかなり上であり、3人でピクニックに行くなど関係の長さと深さを感じさせました。

妻原はその女性とも籍を入れていないらしく、ティナが不倫関係にあるというわけでありません。その状態で家族紛いの付き合いを長期間続けている彼が、本質的にクズ男であるというだけのことです。

ですがティナから見れば、自分が「少なくとも2番手以降の女性であったこと」は無視できない事実になるでしょう。

1番であれば自分が本命であると思い込むこともできるものの、こうなって来るとそれさえも許されません。あの写真1枚には、それほど重大な情報が込められていたように感じます。

そのショックは計り知れず、「自分はただ利用されていただけ」という可能性で常に頭がいっぱいになってしまうに違いありません。百年の恋も冷めるであろう現実が、彼女の前に突き付けられていました。

それでも彼を信じたいと感じたティナは、妻原を探し出してその真意を確かめようと声をかけます。しかし、実際に顔を合わせてしまうとやはり二の句が継ぎません。

99%黒な証拠が揃っていても、1%が残っているならそれに縋りたくなるのが人間です。「実際に本人の口から聞く」ということは、その残り1%を埋めて100%にしてしまうことに繋がります。その勇気が出ずに足踏みしてしまうのは、彼女にとって自然なことだと言えるでしょう。

そんなティナの想いを知ってか知らずか、妻原はポケットから1つの書類を出してティナに突き付けます。それは怪しい風俗店の求人。「そこの方が今より稼げるはず」という理由で、彼女の尊厳を傷つけようとしたのです。

ティナはパフォーマーとして夜の街で働く女性であり、あくまで努力と能力に裏打ちされた仕事をこなしています。なのにそのティナに身体を売って働けと言うこと自体、あまりにチグハグな提案だと感じます。

推測ですが、妻原はティナのことを「夜の街で働いている」程度にしか認識していなかったのではないでしょうか。

彼女の仕事内容などにはさして興味はなく、「今の延長線上にある仕事ならやれるだろう」という軽々しい意識しか持っていなかった。だから平気であんなことが言えてしまったと。あらゆるベクトルで全てが最低最悪な人間ですが、そう考えると辻褄が合ってしまいます。

当然ティナはそれを拒否。そしてそのティナの態度を自身への裏切りと取った妻原は、彼女を邪険にするだけしてその場を後にします。自分の子に対して、「本当に俺の子かどうか分からねぇじゃねぇかよ」という言葉を残して。もう真実など彼の口から聞かずとも、それはティナが完全な絶望を感じるには十分すぎるやり取りでした。

人を真に想える者

「美人さん。お持ち帰りしてええか?」

心身共にズタボロになったティナに向かって、雅楽代寶は待ち構えていたかのように手を伸ばしました。傷付いた心の隙間に入り込むのは口説き落としの常套手段。勝手知ったるやり方だと言わんばかりに、飄々と彼女の懐に入り込むのです。

ですが口説きの手段としてその方法がスタンダードになっているのは、女性がその時に真なる救いを求めているからに他なりません。その機会を悪用する下衆の極みも大勢ますが、それ故に正しい気持ちで心に寄り添うことは最大級の善行になり得ます。

「ティナは頑張ってる」

寶はそういった女性の心に入り込むノウハウを、愛著集めという使命の遂行に活用しています。そして愛著集めは依頼人の心を救わなければ成立しません。

だとすれば寶は、まっすぐで強い善なる気持ちを持って全ての女性と向き合っているとも言えるはずです。

「この世は嫌なことばかりだけど、頑張っている人は必ずいつか報われる」

彼はいつでも努力を肯定し、目の前のものをひたむきに信じようとする者に救いの手を差し伸べています。

世の中には守られるべきルールと秩序があるにも関わらず、それを破り身勝手に生きる者が得をする構造が出来上がっています。正しく生きる者は時として、普通に生きたいという些細な望みすら叶えることを許されなくなるものです。

「正直者が馬鹿を見る」という言葉通りの世の中。
道理を守る者が守らない者の食い物にされる世界が今の日本には存在しています。

その全てを救い出し、努力に見合った正しい成果を与えることは誰にだってできはしません。それでも、ならばせめて。身近にいる誰かたった1人の心にだけでも、光を届ける戦いを選びたい。寶の表情と台詞からは、そんな強い熱意が感じ取れるように思います。

こんな恩は掛け捨ての夢の様なもんだから。行きずりの関係の間で起こったことくらい、損得の外れたところで収まる世界であっても罰は当たらないだろう。

雅楽代寶はそんな愛すべき女性の想いを乗せて、天へと舞い上がります。彼女の流した涙に正しい価値と顛末を届けるため、ただただ実直に愛著回収という使命を全うします。

「禁忌解放!愛!絢爛!
金鋼の夭聖 寶、降臨!」

本当に求めるもの

寶が辿り着いたヘブンズ空間は、退廃的な空気感を持つ日本絵画の世界。過去にも日本画をモチーフにした空間は複数ありますが、その中で最もおどろおどろしく攻撃的な空気感を持つ空間となっていました。

その中で愛著の宿主である妻原が仕掛ける攻撃は、人間の快楽の限りを活用したトリッキーな内容です。

強アルコールの水泡を射出して視界と意識を酩酊させる、毒性の強い煙草の煙を噴射して自由を奪うなど、"行きすぎた快楽"による副作用で寶の自由を奪いにかかります。

「快楽の蜜の甘さは儚く、ほんの刹那しか持たない」

快楽とは人が生きる上で絶対に欠かすことができないもので、それ自体は人生に潤いを与える存在です。しかし一度その味を知ってしまったが最後。それを知らない頃の自分にはもう、戻ることができません。

そして強い快楽を知れば知るほど、どうしてもその上を求めてしまう恐ろしさもあります。

その時々で"最高"だと思ったもので満足できる期間は、本当に短いものです。今でこれだけ凄いんだから、この上のレベルではどうなるのだろう?その好奇心と欲求が止まることは永久にないのです。

「快楽を手に入れることとは、不幸を手にすることなり」

故に人は新しい快楽を知れば知るほどに、堕落して自分を見失っていくことになります。その一瞬一瞬では幸せと心の昂りを感じることができるとしても、行き着く果ては火を見るよりも明らかです。

俗に「こんな興奮を知らないなんて人生損している」といった言われ方をすることは多いですが、実際は知らないなら知らないままの方が幸せでいられることも多いものです。特に「酒!煙草!セッッ!薬物!特にギャンブルはなぁ!」はその代表格でしょう。

ですが人生の酸いも甘いも理解している寶は、一般的な「快楽による不幸」程度ではものともしません。他の4人であれば開幕と同時に凄まじいピンチに陥ってしまっていた可能性は高く、今回の相手を寶が担当したのは幸いだったと言えるでしょう。

それでも。そんな寶であっても、どうしても求めてしまう快楽・抗えない欲求は絶対に存在します。そしてそこを重点的に突かれてしまえば、彼の身にも必ず不幸は降りかかってしまうのです。

母親からの傲慢な愛

空間から召喚されたのは、寶の母を模す邪悪なる存在でした。

幼き日に両親と別れて孤独に金鋼族の復興のために歩んできた寶は、親から適切な愛情を受け取った期間が非常に短い夭聖の1人です。少年期から誰の庇護下にも置かれていないという点に着目すれば、5人の中では最も親からの愛に飢えていると言って良いでしょう。

そして幼少期に寶が母親から受けていた愛は、とにかく彼を生かすことを優先する自己犠牲精神に満たされたもの。父の無念を晴らすため。金鋼族を復興するため。そういった単純な親子愛とは一線を引いた価値観に侵されたそれは、純粋な愛とは少し異なっていたのだと思います。

邪魂はその寶の半生に目を付け、寶が経験してこなかった"愛"の形を仮初の親を使って再現。執拗に彼の心を揺さぶりにかかります。

偽の母に押し倒され、近親相姦を思わせる体勢のまま口移しでアルコールを注がれる。それは多くの人が求める"愛"ではないとは言え、寶にとっては未体験の、欲求を満たすものの可能性がありました。

幼き頃に母親に守られ続けた寶は、心の奥底でその母親に乱暴にされることを求めていた。もっと身勝手な感情で子供を振り回し、怒りと叱りを混同するような、そんなありふれた母親像を夢見ることもあったのかもしれません。

彼の上でブクブクと太り巨体となった母親も、自分のために食事を放棄して痩せ細ってしまった本当の母親との対比でしょう。自分から全てを奪い取り、自らの思うままに全てを実の子どもに押し付ける。そんな傲慢な愛を求める心を、邪魂に見透かされてしまったようです。

「違う…!俺が欲しい、ものは…こんなんじゃない!!」

もしかするとその時その場まで、寶の心には本当にそういうものを欲する部分があったのかもしれません。

自分が本当に求めるものが何なのか分からないままでいた寶にとって、想像し得るあらゆる感情が真に求めるものである可能性があります。

だから一度はその攻撃に怯んでしまったし、快楽の介入に心が蝕まれてしまう瞬間もありました。ですが実際に味わってみるとそれは劇物でしかなく。ここで寶はその存在が今の自分にとって「不要なものだった」と判断するに至ったと僕は解釈しました。

「俺が欲しいのは――お前なんかじゃない!!」

もっとも、使命遂行のために"攻撃"を跳ね返す選択を理性的に取っただけである側面も否定できません。寶にとって母親が重大な思い出であることは間違いなく、偽物とは言えそれを跳ね返すのには勇気と意志が必要だったと思うからです。

歪んだ愛が必要ではなかったからと言って、母親からの愛を必要としていないわけではない。その矛盾の中で戦うことを強いられた寶にはこの時、確かなピンチが迫っていたのです。

ファミリー

母親からの"愛"を拒絶したところで、自分が本当に欲しいものが見つかるわけではない。むしろそれを跳ね飛ばしてしまったら、余計に彼は自分が分からなくなってしまうのではないか。寶の反応から僕がそう思えた時、彼の後ろから飛び出してくる影がありました。

それは阿以蘭丸、歩照瀬焔、清怜うるう、陸岡樹果。寶と今を共に生きる、4人の仲間たちです。

彼らは思い思いに寶に加勢し迫りくる邪魂を祓っていきます。そして回復を得意とする樹果の活躍により、寶も本調子を取り戻すことにも成功。丸腰となった妻原の愛著に向かって、一直線に飛翔します。

「オン マヤルタ ハリキラ」

この愛著集めの使命が始まる前、寶はずっと独りで戦い続けてきました。いえ、正確にはこの使命を与えられてからも、寶は独りで戦っていると思っていたのでしょう。

「心根解錠!」

他の4人とは一線を引いて、単独行動を旨として。できるだけ彼らに深く関わらないように立ち回って、自分を特別枠に置こうと努力していたように思います。

しかしそんな寶の気持ちなどいざ知らず。
4人はその単独行動を容認し、彼の在り様を肯定し、ありのままの雅楽代寶を受け入れて共に歩むことを選びました。

「聖母被昇天!!」

「寶はいっつも独りで戦おうとするんだから」「もう少し俺たちを当てにしろよ」「僕たちはファミリーなのだから」

さも当たり前かのようにそんな言葉を口にする彼らに、どれだけ寶の心が救われたことでしょう。

自分が距離を置こうとしていることに、彼らは気付いてさえいなかった。寶からすれば、拍子抜けも良いところです。でもだからこそ、彼らのことは心の底から信頼できるはずです。

「GO TO…
HEAVEN――――――――!!」

そしてそれこそが雅楽代寶が、本当に求めていたものだったのではないでしょうか。

余計な気を遣わず、詮索もせず、どこで何をしていようとも関係ない。"1人"での行動を「そういうもの」と判断してくれるほどに不干渉。

それでいてピンチの際には自分たちに声をかけろと、何かあれば共に助け合おうと宣いもする。仲間の誰かが、"独り"になることを決して良しとしないほどに過干渉。

それは真なる意味で"ファミリー"と言える小集団です。
家族同然の付き合いの中で、寶もまた自分のポジションをしっかりと確立できてしまっていました。これは彼にとって本当に嬉しい誤算だったのだと思います。

使命でなければ出会えなかった、出会うはずのなかった5人だけれど、そこで結ばれた縁は確かに本物。5人のこれからの関係が楽しみになる魅力が、この10話には詰まっていました。

おわりに

愛著を回収した寶は妻原に「ギャンブルで勝たせすぎる」という罰を降りかからせ、結果として彼に貢いだ分の金銭以上を彼女の元へとキャッシュバックさせることに成功しました。

しっかりとした依頼人のアフターケアがセットになっていることも、寶が実力を持っている証なのでしょう(※どうしようもないクズを連れて行く羽目になるかもしれないが)

そして彼ら5人が真なるファミリーとなったことで、蘭丸に異常な執着を見せるチルカの怒りも頂点に達します。

過去に女王と共に3人で行動を共にしていたことが明かされた最終版が、クライマックスにどう影響してくるのか。それを楽しみに残り2話を視聴しようと思います。

最後まで書き切りますので、何卒この感想記事もお楽しみ頂けたら幸いです。

それでは超感想エンタミアのはつでした。また次回!

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はつ

『超感想エンタミア』運営者。男性。美少女よりイケメンを好み、最近は主に女性向け作品の感想執筆を行っている。キャラの心情読解を得意とし、1人1人に公平に寄り添った感想で人気を博す。その熱量は初見やアニメオリジナル作品においても発揮され、某アニメでは監督から感謝のツイートを受け取ったことも。

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