すっかり秋めいて参りました。
「ジャッジメント」の感想、非常に沢山の方に読んで頂き大変光栄でした。しっかり書き込んだ甲斐があったというものです。
一話で2話分の書き込みだったため、苦労した「サマーライブ(後編)」からの流れと併せて完全な"やり切った感"に包まれた先週末。しかし数日と経たずに最新話の放送はやってくる。
頭を切り替え、Trickstarの話に戻りましょう。
「オータムライブ(前編)」は、ついにキービジュアルに登場している全キャラが揃う重要な一回です。
今回も妥協せずにしたためさせて頂きます。お付き合い下さいませ。
目次
序盤の物語
サマーライブでの敗北を経て、SSでの本戦に向かって鍛錬を積み重ねるTrickstar。夏から秋ということで、劇中では数ヶ月が経過したと捉えるべき。『あんスタ』の世界での数ヶ月の重みは計り知れず、この期間にも様々な事件が起こっていたことでしょう。
Trickstarは全国行脚に挑戦していたという情報が前回で提示されていました。その内容に想像を膨らませつつ、確かな成長を遂げたTrickstarの新たな挑戦を見守ることになるこの「オータムライブ」。
サマーライブの雪辱を果たすべくEveとのリベンジマッチを企画するも、彼らの前に立ちはだかったのは予想していなかった新しい戦いでした。
その企画を受けたEveの所属するコズミックプロダクション(学校名ではなく事務所名が登場したのは今回が初)は、Eveの所属する玲明学園ではなく、系列校である秀越学園から返答を差し出したのです。
その内容は自校で開催するオータムライブへの招待。
そして対戦相手はEveではなく、Edenを構成するもう1つのユニット「Adam」になるとのこと。
望んでいた形ではなかったものの、戦う相手が打倒すべき存在であることに変わりはありません。Trickstarはそれを無駄にするのではなく、良い機会と捉えて参加することに決めました。
しかし基本的には系列校しか参加できないはずのライブに、わざわざゲスト枠を用意してまでの招へい。しかもホテルなども全て秀越側が手配済みで、行くだけでOKの状態まで準備が完了している始末。至れり尽くせりの待遇でTrickstarは迎え入れられたと言えます。
政治的横槍(政治的横槍…?)が入って対戦相手が変更されたことを考えると、秀越側が「何か理由があって全てを思い通りに進めようとしている」と考えるのが自然な場面です。
Trickstarの中でもキレ者である北斗と真緒はそのことに頭を向けてはいるものの、彼らはあくまでアイドルとしてライブを行う当事者。そんなことを気にしすぎていてはせっかくの機会を無駄にすることになりますし、「きな臭さはあるがライブに集中しないと」という結論にしかなり得ません。
だからこそ今回は外野たる夢ノ咲側の生徒達の動きも、物語の鍵を大きく握ることになると予想しています。
生徒会の英智と伏見は、秀越側の意図に気付いている様子。果たしてこの物語はどのように動いて行くのでしょうか。
今回活躍したキャラクター達
前編は恒例のキャラ見せ回。
この記事でも恒例となった出番の多かったキャラクター達を順番に扱うコーナーから始めましょう。Trickstarを中心に紐解いて参ります。
伏見弓弦
今回、数少ない英智と考えを共にしている立役者で、立場的に現地に赴き辛い英智に変わって参謀的な役割を果たしているのがこの伏見ことフッシー。フシギダネみたいなあだ名だな。
18話では司に「レオのことをもう少し見極めてみては」と提案していたのも印象的。アニメでは姫宮とのセットでの登場が多いですが、姫宮とのやり取りがメインではないシーンにおいては、聡明で的確な判断力を持っている描写が多くあります。
総じて結論を急がず、物事を大局的に見て判断するのが得意なキャラクター。存在している前提情報から裏の裏を読んだ上で行動できる人間で、その長所が相手によってベストな接し方をする執事然とした振る舞いに活かされていると感じます。
逆に姫宮一族に仕える立場であると幼少時から意識してきたことが、伏見にその素養を与えたのかもしれません。どちらが先かは、流石に分かりません。
ただ、少なくとも今の彼はその立ち位置に納得しているようですし、いつも見ていて安心感があります。振る舞いや態度からは比較的闇を感じにくいキャラクターの1人という印象です(過去には色々抱えていそうなキャラではある)
以前に英智とも個人的に深い関係があるのかもと書いたことがありますが、どちらかと言うと「英智は伏見の"能力"を信頼している」という見方が今回で強まりました。
後編でも縁の下の力持ちとして、"なくてはならない活躍"を見せてくれることに期待します。
氷鷹北斗
ホッケーマスクの印象が強すぎてかわいそう。
あの時一体何をやらされたと言うんだ。Amazing!!
秀越のきな臭さに何となく気付いているものの、それでも敵事務所の魅力の方を優先してしまいそうになる微妙さを披露。
彼は頭が回るタイプだし理論派ではあるのですが、その点で言うと理論を信じすぎているところがあるのがネックでしょう。「理に適っている」ということが1つの絶対的な評価軸になってしまっているので、論理的に間違っていないことを否定する力が弱いのです。
物事をよく考えてはいるものの、その思考自体がかなり表面的で深いところに気が配れていない。すると、表向きには"正"が多い選択肢にどうしても気を取られてしまいがちです。過去に英智に言いくるめられたのもその人間性が災いしたと言えます。
現実的に言えば詐欺とかマルチ商法のようなものに最も引っかかりやすいタイプ。特に北斗は根元が非常に純粋な少年なので、一度ハマったら抜け出せない可能性も高いです。
今回の秀越のやり方は、正に詐欺のメソッドで相手を罠にかけてジワジワと追い詰めるもの。北斗にとっては天敵で、頭が回る故に危険です。
そういう北斗の微妙さを補完するメンバーとして、大局を見える衣更真緒の存在が大きいわけですが、今回は彼がかなり痛めつけられているのが更に厳しいところ。これら全てを狙ってやっているとしたら、七種茨の狡猾さが光る一幕です。
しっかりしているように見えて、色んなところが少しずつ抜けている。そこが愛らしい存在で、北斗は個人的にも好きなキャラクターですね。
遊木真
のぼせすぎでは?
風邪でも引いているのだろうか。
意外と夢ノ咲学院への不満点をおくびにもなく言っていく、クレバーな一面を見せてくれた今回。
彼は表面的には自分をあまり持たず自己主張が薄いタイプのキャラに見えますが、深いところでは自分の意志を強く持って動いているキャラクター。実際今までのTrickstarのピンチを寸でのところで踏み止まらせてきたのは、常に真だったと思います。
それが今回は全く違った角度で体現されたと言えます。
グラビアモデルから何か事情があっての脱退を経験しているので、体制や状況を俯瞰で見る力が鍛えられている?のかもしれません。
総じて「Trickstarを良い方向に動かしたい」という気持ちが根元にあるのは間違いなく、あくまでもユニットの幸福を主体にして動いていることが分かります。本当に信頼できるキャラクターです。
しかしながら、今はその想いの強さがAdamの罠の格好の的になっている状態でもある。感覚的に張られていたEveの謀略を感じ取ることはできていましたが、論理的なことを見極めるのは苦手分野なのかもしれませんね。
明星スバル
明星スバルでぇ~す!!
よろしくお願いします!このヤロウ☆
相変わらず目的意識が前のめりに一貫していて、妙な情報に踊らされないところが心強い。特別な活躍はしていないものの、何があっても前向きに臨めるスバルの存在がこのオータムライブにおける頼みの綱。
実際Adamのような罠では論理が通じない人間を篭絡するのが最も難しく、彼のような「よく分かんないけど何となく駄目だと思う」という態度の人間をどう説き伏せるかは課題となっているはずです。
部屋での会話の際「いつもならサリーが…」と言っていますが、少なくともあそこでスバルが能天気でいなかったら終わっていました。まとめることはできなくとも、引っ張ることでせき止められるものもあります。
そして彼は以前、fineのライブ後に起きた北斗の心の変化に気付いていたなど、全く人の心が察せない人間ではないのも分かっています。
ドリンクの話を真緒に振ったりしたのも、彼なりの気遣いだったと考えるべき。いつも通りにしていることが19話での明星スバルの活躍だと言って良いと思っています。
ただ初対面の茨をいきなりあだ名で呼び始めるなど、相手の裏の顔に気付いているとは思いにくいシーンも。その辺りが後編でどう響いてくるかに期待が高まります。
衣更真緒
いよいよスポットライトを浴びた衣更真緒。
以前から「バランス感覚に優れるものの、目立った活躍がない」「多角的にものが見える故に尖ったものがない」といった器用貧乏的な側面はよく見えており、記事でも何度か取り上げてきたと思います。彼がフィーチャーされる物語は、ドンピシャでそこに言及してくるものでした。
Adamの乱凪砂に試され、指摘される形で明るみになった彼の短所。それは長所と表裏一体とも言うべきもので、"悪く言えば"という評価に他ならない。実生活においてそのような見方をする必要はないとさえ言えます。
ですが、実力主義であるアイドルとして戦い抜いて行くのであれば、やはり突き抜けた長所は必要不可欠。劣っているところを補って余りある魅力、それがエンターテイナーには求められています。
現実世界でも歌やダンスが最高に優れている人が表舞台で華々しく活躍しているわけではなく、意外と上手くできないところがある人の方が「魅力がある」と判断されるもの。
平均的に全てが優れているオールラウンダーは、いてくれたら便利ではあるがいなければならない存在にはなり得ない。厳しい現実がこの世界にはあります。
成長の過渡期にあるTrickstarは、それぞれの魅力もまだまだ不完全。そうであるから真緒のオールマイティな才覚がステージ上で"まとめ役"として機能しています。
ですが、Trickstarがどんどん成長して真緒の手に負えなくなる、ないし、その必要がなくなるほどにまで仕上がった時、衣更真緒のステージ上での存在価値は無くなってしまうかもしれません。
多角的に物事を精査できる彼は、その事実についても明確に向き合っているはずです。それでも、そこから脱する糸口をまだ掴めていないのでしょう。
自分の感情に正直に
今の衣更真緒は、皆のために一生懸命頑張っていて、自分のために動くことがよく分かっていないようにも見えます。
物事が見えすぎるというのは、それ以外の物を見え辛くすることでもある。それを突き抜ける行動が取れない限り、彼はその外側の自分を追求できないのです。
ですが井の中の蛙大海を知らず。
思ってるより世界は広いぞ衣更真緒。
まだ本気を出していないだけと自分と周りをごまかし、その場しのぎでステージに立ち続けてきた真緒。それが個人対個人という本気を出さざるを得ない状況下に置かれたことで、ただ「力が足りていないだけ」と知らしめられてしまった。
それは挫折でもありますが、本当の自分と向き合う大きなチャンスでもあります。
凪砂には「彼の代理は幾らでもいる」と言われました。確かにそうかもしれません。でもアイドルだって、人間同士の関係性の強さが極大の輝きに繋がっていく世界です。
最後は個人の実力だけでは決して測れない。
人と人とが織り重なるアンサンブルがあってこそ、皆を魅了するパフォーマンスが体現できるはずです。
だから代わりなんているわけがないし、衣更真緒がいなくなったらTrickstarはTrickstarではなくなる。他の3人と別の誰かでアイドルは続けられても、その時のそれは全く別の存在だと言って良い。
それに気付くことができれば、衣更真緒にしか出せない魅力も自ずと手繰り寄せることができるはず。彼に足りないのは技術ではなく、熱量とマインドだと思います。
現実を見ないで、もっと自分の感情に正直に…泥臭くなってみても良いのではないだろうか。それによって見えてくる新しい"現実"がきっと彼を大きく成長させてくれることでしょう。
後編では、そんな彼の一端が見られることに期待しています。
朔間凛月
衣更とどういう関係だオイ。
合鍵渡してんのかオイ。
想像していた以上に真緒と深い深い幼馴染だったリッツ。
非常に良いタイミングでの電話は何かを感じ取ってのものか、誰かから何かを聞いての連絡か、本当にただのお土産の要求か、はたまた日常的に電話をし合う関係なのか、謎は深まって行きます。
でも幼少からの気心の知れた相手が連絡をくれるというのは、どんな理由であれ真緒の支えになっただろうと感じます。そして彼の電話越しの声から、何かに悩んでいることも凛月は察したのではないかなと思います。
自己解決のキッカケには常に誰かとの関係性がある。僅かな会話シーンでしたが、この作品の大きな魅力を表す大事な一幕だったと思います。
青葉つむぎ
だからつむぎを良いように使うな天祥院英智。
あんずちゃん
独りだけずっと制服!!
お風呂入って!!
いつも思うけど、ところどころ急に声がブスになるところが本当に推せる。