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スターオーシャンフェス2018「星海祭」10,000字感想 【Forever】

2018年6月4日

『星海祭』感想後半 生プライベートアクション

後半です!
もちろんこちらも物凄く楽しみに待っておりました!
前記事では桜庭さんへの愛を語りましたが、ゲームの方もナンバリングタイトルは(リメイク版ではあるものの)一通りプレイしている生粋のシリーズファンでもあります!
BSは……未プレイですまん……。

星海祭は初の単独イベということで、声優さんの生演技によるステージもシリーズ初になるのでしょう。
それこそ15年ぶりに自身のキャラを演じるような方もいらっしゃれば、台詞読みをそのキャラでやるのはそもそも初めてという声優さんもいたくらいかと思います。

そして何よりシリーズキャラが一同に会して行われるクロスオーバーストーリー!
これもまた、実現が妄想の域でしかなかったであろう夢のようなイベントでした!

クロスオーバーと言えばアナムネシス。
1年半近く遊んでいると時空を超えた共演が見られる機会にも慣れ、その状況自体への感慨は薄れてきていると言えますが、やはりボイス付きともなるとまたグッと来るものがございます。
ここまで各シリーズからまんべんなく声優さんを集めてもらえたことが既に素晴らしく、それだけでも関係者各位には感謝の気持ちでいっぱいです。

こういう場に成り行きで集まることができた声優さん(キャラクター)が偶発的にイベントを発生させ進行する。
正にスターオーシャンのプライベートアクションって感じではないですか!

そしてそして、そのランダムと言って良い参戦キャラクターを見事までに動かし切ったストーリーテリングは流石の一言!

小気味よく展開される会話劇は、コミカルな部分も含めてプライベートアクションそのもの。
声優さん達もノリノリで演じて下さり、実に楽しい時間になりました。

個人的にはミキを主役に据えた展開というのが非常に良かったですね。
SO5において、看板キャラではあったものの、本編で実質的に目立ったのはリリアの方。
「主人公の幼馴染だからと言ってメインヒロインだと思ったか馬鹿め」と言わんばかりの微妙な立ち位置に終始してしまい、ヒロインとしての掘り下げがイマイチ不完全なまま終わってしまっているところがあります。
その結果がウェディング投票最下位か…。

彼女はSOシリーズのキャラクターで数少ない「何者でもない普通の女の子」でもあります。
ディープなキャラが多いSOシリーズの中間点に置いておくにはとても良い役割を果たしてくれますし、何より彼女自身と周りの関係性が不完全な状態で残っているというのがより話のまとまりを出してくれていたように感じました。
何かと二次展開ではネタにされやすい愛されキャラのミキチャンですが、本当あのPAでは輝いてましたね…。

声優さんだとネル役の浅川さんは印象に残っています。
というのも、公式生放送に度々出演されて、初期の頃は「流石に昔と声ちょっと違うな」と思っていたのに、あの日は完全に声も演技も当時のネルでした。
やっぱプロの声優さん、凄いですよね…。

あとフェイズ役の斎賀さん。
アナムネシスのフェイズはSO4エンディング後の彼が何らかの形で召喚されている設定になっているので、そういう演技でやって頂けてるなと思いました。
もうフェイズも10年ほど前のキャラクターになるのに、そういう裏設定までしっかり滲ませる圧巻の演技だったなぁと。

やはり絶対押さえておきたかった東地さんの複数キャラの演じ分け。
誰もが思ったと思いますが、これはもう絶対に見たかった。最高でしたね。ありがとう和ケ原先生、東地さん。
うおー!!あっちぃー!!

もうせっかくだからアリューゼも出てくれれば良かったのにと思ったくらい。
運営さん、エイルマットなるはやでお願いします!

色々楽しいところだらけの内容でしたが、この難しいシチュエーションを見事なまでに描き切った和ケ原先生の手腕には感服せざるを得ません。
アナムネシスのノベライズ版も実に素晴らしいクオリティで書かれており、この方が書かれるなら安心だというレベルの期待値がありました。

その期待を見事に超えてくる絶妙な面白さ!
もう完全に公式の方ですが、ここまで至った経緯を考えて、正に「公式より公式を理解している男」と言わさせて頂きたく思います!
和ケ原先生はSOシリーズの二次創作が自身の創作の道の始まりだったとインタビューで回答されていますし、シリーズへの愛は1ファンの自分から見ても本当に半端ではないことが作品創りからも伝わってきます。

正直、長寿コンテンツになるにつれて、その作品の全てを知っている方というのは公式側にもほとんどいなくなってしまいます。
権利を持っている会社が作る、タイトルが同じ最早別物という作品ばかりになってしまうシリーズも少なくありません。

結果的に、実はその作品のことを一番よく理解しているのは、昔からずっと付き合っている消費者、オタクというのは割とよくある話です
ですが、そういった人達がその作品創りに必ずしも加担できるかというと、様々な理由でそうではありませんよね。

その大きな理由の1つが「詳しく知っているからと言って作品を創る能力があるとは限らない」というところにあるかと思います。
知識を付けるのとその知識を上手く使えるかは全くもって違うベクトルですからね。

アナムネシス展開以降のSOシリーズを見ていて感じるのは、とにかくこのシリーズはとんでもない太客に支えられたコンテンツであったということです。
当然アナムネシスはゲーム自体の出来が良いから流行ったのであり、今では新規ファンの方が多いくらいかもしれませんが、リリース直後の瞬間風速など考えても、恐らく誰から見ても「想定以上の強さ(太さ)」であったことは間違いないかと思われます。でなければ初動の低予算展開の説明がつかない。

そのシリーズの根元を支えてくれているファンの中に、和ケ原先生のような「プロレベルの創作能力を持つディープなファン」が存在していることが更なる幸運であり幸福です。
公式で展開している4コマ漫画なんかもその一環と言えますし、とにかく強いファンが多いんだこのシリーズは!!

余談ですが、僕もこうやって文章を書いていますし創作もやりますし、SOシリーズも好きです。普通の人よりはできることはあると思います。
でも和ケ原先生の総合的理解度から繰り出される作品を前にすると「こういう人だからこそ公式からオファーが来て仕事ができるんだなぁ」と納得させられる展開力と知識量、そして何より尋常ならざる愛の大きさを感じてしまいます。
実は僕自身もSO3の二次創作から文章を書く楽しさを覚えた少年の一人ではあるので…色々感化されるところはありますね。

更に素晴らしいのはそういったファンを積極的に拾い上げるアナムネシス運営の柔軟な対応力。
良い意味で節操がなく、ネット上に存在する「強そうなファン」を積極的に内側に入れて行こうという強い意志が感じられるんですよね。
なかなかできることじゃないですよ。それだけ強い支えがあることが前提ですから。

オタクの強い意志は「自分のやりたいものを実現したい」という主観的なところが熱量になっていることが多いです。
その強さに一任してしまうと公式作品としては偏ったイマイチなものになってしまうことも多いため、特に物語サイドなんかはオタクを公式側に入れることがより難しいと思うんですよ。
そういう観点から「ゲームを創る人間はゲーマーではいけない」なんてもっともらしい論理がベストかのように扱われていた時代もありました。

ただ昨今では「突き詰めると結局オタクを一番喜ばせられるのは力を持ったオタク」という例がかなり沢山表面化する時代に入っており、その辺りの評価が見直されているところはかなり感じます。
今のスターオーシャンはその熱意や力量にかなり大きな信頼を寄せているところが見受けられます。
そして、それを上手く立ち行かせる人材をピックアップする、確かな選択眼を持っているということですね。

だからこそ、星海祭というイベントの、特にこのプライベートアクションについては、ファンが最も喜ぶ内容と進行を実現することができたのだと思います!

これもやはりユーザーと運営が共同して持っている「スターオーシャンシリーズを復活させたい」という強い気持ちの表れなのでしょう。
一度死にかけたシリーズだからこそ実現している、とても面白い環境だと思っています。あー俺もスターオーシャンの仕事してぇなマジで!

正直なところ、アナムネシスは、現在の展開ではまだストーリーに大きな力を入れているとは言えず、全体的に短めの内容にやりたいことだけを詰めた味気ないイベントが多いのは否定できないところ。
去年秋頃から「楽しめる内容量」にはなっていますが、もっと長い尺でじっくり楽しみたいと思わされることは依然多いと言わざるを得ません。

なので、こういったクロスオーバーストーリーを長時間じっくり堪能できる機会は初めてと言っても過言ではなかったかと思います。
しかしながらクロスオーバーストーリーをスッと受け入れられること自体、アナムネシスという作品が積み上げてきてくれたものがあってこそなわけですし、やはりこの1年半がSOシリーズに与えた影響の大きさを感じられる一幕となっておりました。

同時に、こういうのをもっとアナムネシスというゲームの中でも見たいなと、強く強く思う内容でした。

ソシャゲのストーリーは中途半端なクオリティで文章量だけを増やすと読み飛ばされてしまうことも多く、それはそれで不評を買うと聞いたことがあります。
ので、内容に絶対的価値があると認められるレベルにならないと、ノベル的な楽しみ方を追求するのは難しいらしいですね。

アナムネシスもそういった点でどうしても踏ん切りがつかないところがあり、話面では控えめの展開だったのだと思いますが、現在では面白いストーリーが読めるものと期待できるレベルまで整ってきていると思います。
和ケ原先生が書かれる二部の新規シナリオに合わせて、クロスオーバーが中心のイベントシナリオも更なるクオリティアップが為されれば、更に満足度の高いゲームになることと思います!

本当に色々な可能性が感じられる最高のプライベートアクションでした!
期待してます本当に!

おわりに

星海祭三部は公開生放送。
毎回生放送はチェックしていますよ。あのぬるい空気が本当好きなんですよね。

それでいてユーザーとしっかり向き合ってくれるところとか最高で。
ソシャゲの生放送ってこういうので良いよなって毎回思ってます本当に。

表に立っているのはスクウェアエニックスの小林Pとたかあき運営Pの両名であり、開発のトライエースの人はいないのですが、スターオーシャンというシリーズがこういう人達の手でリブートされて良かったなと、きっとトライエースも凄くのびのびと(地獄のようなスケジュールを)仕事しているのだろうと思います。
実際どうかは分からないけど、少なくとも俺はそう思えてるから既にその点で勝ってるんだ彼らは。

今までも十分楽しむことができていましたが、今後始まる二部から見せてくれるのは彼らが創る更なる本気のアナムネシス。
本当に、本当に楽しみです。

二部の詳細発表に逐一湧いたあの会場の空気を忘れずに、これからも全力でアナムネシスを楽しんで応援して行こうと思います。

僕は本当にスターオーシャンというシリーズが大好きなんです。
でも実は、ゲーマーとして楽しんでいる側面が強く、好きの割合の多くが戦闘の面白さとBGMにあります。

ストーリーは別に面白くなくても良いし、そもそも全体的なストーリーが面白いシリーズだと思っていないし、キャラも物凄い推しメンはあまり多くない。

だから、ストーリーとか結構忘れてしまっているし、PAを網羅しているわけでもないし、欲しいキャラが実装されるまで石を貯めようと思った時に、何がその「欲しいキャラ」に該当するのか自分でも測りかねているところがある。

だけど、自分の人生において物凄く重要なところにいる作品の一つ。
世間と自分の「面白い」の基準にあまり差がない自分にとって、スターオーシャンはどんなに世間の評判が悪くて、客観的に見て擁護できないようなところがあっても「まぁでも良いや俺は楽しいから」で済ませることができる数少ない作品の一つです。

僕にとってスターオーシャンってそんな不思議な作品です。
他の作品が恋愛に近い好きであるなら、このゲームは親愛に近い好きなんだろうな、と。
駄目なところがあっても許したくなってしまう、次の展開を応援したくなってしまう、家族のような存在なのだと思います。

SO5が発表された時、本当に飛ぶように嬉しかったです。
だから、叩かれているのを見た時、とても悲しかった。ガッカリとかではなく、単純に悲しかったのです。

「俺は楽しかったけど、これでもう本当にスターオーシャンの新作を遊べることはないのだろう。
あぁ終わっちゃったんだな、良い夢見れたな」

という感じでした(深刻な患い)

その後アナムネシスがリリースされ、大して期待せずに始め、その気合いの入り方にのめり込んで行って今日に至ります。
リリースして一通り遊んで、とりあえず周りに勧めまくったこと、まだまだ記憶に新しいです。

今の世の中、復活を望まれる過去の名作は沢山あっても、本当に復活して多くの人に愛される作品として定着しているシリーズは僕の知り得る限りではほとんどありません。
だいたいが昔からのファンの願望の中で収まってしまっている話です。

そんな特例中の特例の一つとも言うべき劇的な大復活を果たしたのが自分の最も好きな作品だった。
こんなに嬉しいことがありますか!?って感じですよ!

これからもスターオーシャンをガンガン盛り上げて行ければと思ってます。
この記事をここまで読んでくれた方もきっと同じ気持ちの方が多いのではないでしょうか!?

是非!今後も!僕達の大好きなこのシリーズを200%最高の作品にできるよう、全力で楽しんで参りましょう!

星海祭、本当に最高の最高の最高のイベントでした!
来年はもっと凄いやつを期待しております!関係者皆様方、何卒よろしくお願いします!!

がんばれスターオーシャン!フォーエバー!!

  • この記事を書いた人

はつ

『超感想エンタミア』運営者。男性。美少女よりイケメンを好み、最近は主に女性向け作品の感想執筆を行っている。キャラの心情読解を得意とし、1人1人に公平に寄り添った感想で人気を博す。その熱量は初見やアニメオリジナル作品においても発揮され、某アニメでは監督から感謝のツイートを受け取ったことも。

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