このご時世に初めてのスターオーシャンフェス。
行って参りましたよ。
去る5/20(日)に行われたスターオーシャンシリーズの単独イベント。
スターオーシャンももう20年以上続く長寿タイトルとなっていますが、実はシリーズの総合イベントが開催されるのはこれが初めて。
コンサートとかはあったんですけどね。
僕はSO3からスターオーシャンの世界に入った者ですが、そこからでも15年近い歳月が経っています。
僕の人生で最もメモリアルな作品の1つとなっていますが、正直シリーズはSO4で一通りの終結を迎え、新作を遊べることはもうないと残念ながらも思っておりました。
数年前に突如始まったシリーズリブート計画。SO5以降の展開については正に青天の霹靂と言うべきもの。こんなイベントが開催される日が来るなんて夢の夢にも思っていませんでした。
古くからのファンである方々は皆、そんな人ばかりだったのではないかと思います。
そりゃ行くしかないだろう!
諸々のプライベートの事情でかなりギリギリの予定繰りでしたが何とか参戦しました!
本当に、本当に最高だったこのイベント。
鉄は熱いうちにと言うには月日が経ちすぎていますが(※3週間)冷めたものはまた熱くすれば良いだけの話。
ガッツリ感想を書かせて頂こうと思います。
第一部 桜庭統 STAR OCEAN LIVE STAGE
個人的にはほぼこれのために参戦を強行したというところはある。
桜庭統さんは僕の最も好きな作曲家、アーティストの1人です。
スターオーシャンやトライエース作品に限らず、桜庭さんの担当している有名タイトルは相当の数プレイしている自負はあります。
個人名義のアルバムも愛聴していますし、2011年に行われたファンタジー・ロック・フェスに参戦したりと、ディープなファンの1人と言わせてもらって良いかと思います。
その桜庭さんを知るキッカケになったのが、スターオーシャン3でした。
中学生だった僕は音楽自体ほとんど聞かない少年だったのですが、SO3の楽曲はサントラを手に入れて音楽として聴いてみたいと強く思う作品でした。
当時は低容量で馬鹿高かったMP3プレイヤーを、お年玉を叩いていきなり購入してしまうほどハマったものです。
ちなみにCDを手に入れることはできないまま終わっています(ネット通販が気軽に使える時代でも年齢でもなかった)
しかしそれ以降、様々な音楽に手を出すようになり、今や十分な音楽狂いの1人と言って良いまでに成長。
そのキッカケをくれたのが桜庭統さんでした。
僕にとってこういったブログを書くことも含めた、エンターテイメントや表現を楽しむ心を持つ、大いなる原点となった方の1人なのです。
だからどうしても、その原点そのものである桜庭統スターオーシャンライブイベントに参戦してみたかった。
それを心から強く思うようになってから、願い続けてもその機会は10年以上訪れませんでした。
そんな折にシリーズ大復活を果たす大きな要因となる出来事、スターオーシャン:アナムネシスのヒットがありました。
もしかしたらアナムネシスを応援し続ければ、桜庭統コンサートが開かれるかもしれない。
その気持ちをかなり大きく胸に秘めて、粛々とアナムネシスにお金を落とし続けた1年間。
2018年12月に奇跡は訪れたのです。
桜庭統スターオーシャンライブコレクションの開催発表。
歓喜に湧いて、飛んで喜びました。
願いは叶う。あの発表はそう思わざるを得ないものでした。
エントリー初日、備考欄に精一杯の想いをしたためてさぁ応募だ。
あとは3月を待つのみ!
そして訪れた落選の悲劇
…………。
ヴァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアああああああああああああAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAああああああああああああああaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!???!?!?!!!!!!!!!!!????!!!!!!!!!!!!!!?!!!!!!!!!!!
…………。
というわけでこの星海祭の桜庭統コンサートは!
本当に!
本当に!!
本当に!!!
僕個人が待ち望んだ夢が実現された瞬間だったのです!!
「チケットが売ってる」ってなんて素晴らしいんだ!!!!
ありがとうスクウェアエニックス!!!!(※正常です)
長い前置き(実質本編?)になってしまったが、それくらい僕にとっては重要な時間でした。
演奏が始まった瞬間から、ずっと「永遠に終わらないでほしい」と思い続けることになりました。
聞きたかった曲も、予想していなかった曲も、全てが本当に最高で愛おしいかった。
初めて聴く珠玉のアレンジ、安定した演奏。何もかも素晴らしい。
インストのコンサートの醍醐味は知っている曲も全く予想できない展開の曲に様変わりするところだと思っています。
特に桜庭さんのようなメロディ崩しのノウハウが多様な方のコンサートは音楽のライブと言うより、1本の名作映画に魅入っているような独特の没入感。これが本当にたまらない。
桜庭さんももう50過ぎになり、どちらかと言うとクリエイティブな時間が多く、ライブ活動は極稀にしか行わない方。
体力とか大丈夫なのかな。昔のように弾けるのかなと思っていたところは正直あります。
でも、そんな心配は全く持って杞憂。
運指の化け物。拳弾き。膝&膝(見てくれ)
その全てが健在で衰えを感じさせない素晴らしいパフォーマンスで僕達を魅せてくれました。
そして圧倒的に慣れていない喋りによる力の抜けるMC。
あの超絶演奏とMCのギャップは、一度でも体感していると「やっぱこれだね」って感じです。
5月に行われたprog tokyoの演奏中に「キーボードの発音が演奏についてこない」というトラブルに見舞われたと公式サイトに書かれていましたが、この指の動きならそういうこともあるのかと思わされざるを得ない凄まじいパフォーマンス。
桜庭さんの楽曲って音源で聴いてても「これ本当に本人が弾いているの?」と思うことが割とあると思うんです。
けれどライブに行くと、面白いくらいにゲームBGMで流れてくるシンセやキーボードの音がそのまま聞こえるんですよね。
「この人、マジで弾いてるわ(引いてる)」というあの何とも言えない感動は何度味わっても良いものです。
他の演奏陣も素晴らしく、サンホラファンの僕は何かと縁の深いベースの長谷川さんはもちろん、初めて演奏を見た他の方々も本当に素晴らしくカッコいいステージでした。
今回はバイオリンが参加しているということで、メインをバイオリンの土屋さんが奏で(立ち姿が滅茶苦茶カッコイイ)ギターの大橋さんがバックグランドを刻むという展開のアレンジが多かったかなと思いましたね。
特にドラムを担当されていた今井さんは、あの難しい変調子の曲のリズムを正確に捉え、その上で一音一音の乱れもほとんどない、美しい演奏技巧で全体のサウンドをまとめられていて感服の一言。
僕自身に些末ながらドラムの演奏経験があるから余計そう思うのかもしれませんが、実に丁寧で且つ大胆な演奏でした。
今井さんのドラムは音の荒れが本当に聞こえない音使いで本当に感動しました。
メインメロディを担当する桜庭さんはもちろん、ギターやバイオリンと言った楽器も「暴れる旋律」が多い中で、全く乱れない正確な土台作り。
正に桜庭統の楽曲を表現する上でベストとも言えるドラム演奏に感じられました。
そのプレイの美しさは、会場で販売されていた3月のライブイベントのCD音源でも感じることができます。
生で叩いているとは思えない安定感で最高でした。
7月のライブでもドラムを叩いて頂けるということで、今から楽しみです。
どの曲も最高で、どれも言葉に言い表せない感動があったのですが、中でも僕がとにかく感動してしまったのはアナムネシスの戦闘BGM「Bright All-Stars」です。
この曲、シリーズの他の曲に比べれば大して思い入れもなく「デイリーミッション消化曲」というイメージで自分の中で定着していたのですが、この日は違いました。
と言うより、この日から変わりました。
結局「スターオーシャン:アナムネシス」という作品がなければ、この時間が実現することはなかったな…と、この曲を聴いていて物凄く強く実感してしまったのです。
リブート開始作品となったSO5、僕は何だかんだ楽しかったですが、世間の評判の悪さはもちろん知っています。
ソシャゲが出ると聞いた時も期待はほとんどできませんでした。
一応…という気持ちでプレイをし始めたあの日から、スターオーシャンの新たなる躍進が始まったのだったと、つい思い返してしまった。
それで演奏を聴きながらスクリーンに流れるアナムネシスのプレイ動画を見ていたら、もう涙が止まらなくなるくらい滅茶苦茶に感動してしまって、ライブが終わった時にはこの曲が本当に大好きな曲になっていました。
またこの場に来れるように、これからもアナムネシスを楽しんで、応援して行こうと強く強く思いました。
あとはやはりアンコール後の「未確認神闘シンドローム」→「The incarnation of devil」の鉄板の流れは「待ってました!」という気持ちが爆発。
桜庭統のライブと言えばこの2曲は外せない。
ゲーム曲演奏の少なかったファンタジー・ロック・フェス2011でもトリを飾ったのはこの2曲でした。
色んな意味で思い出が溢れる2曲の、キーボードメインの力強いアレンジには圧倒されました。
どれだけ最高とか素晴らしいという言葉を重ねても言い表せない、夢のような時間でした。
こんなライブを開催してもらえて、僕達スターオーシャンのファンは幸せそのものです。
関係者方々、本当にありがとうございます!
そして、ここからはちょっとした意見というか要望というか想いになりますが……
長年桜庭さんのファンをやってきて、様々なシリーズで曲を聴く機会があります。
最近のゲームでも本当に素晴らしいと思う楽曲は幾つもあるのですが、聴いていてどうしても思うことがありました。
激しい曲、特に戦闘曲なんかはカッコいいながらも、置きに行っているまとまった曲が多くなった気がするな…と。
個人的に、往年に名曲のような尖った曲というのが減ってしまったような気がしてるんですね。
そりゃ30代の頃と50代で同じ創作をするクリエイターはいないでしょう。
色んな観点から、やっぱり変わって行ったものはあるんだろうなと、それが一ファンである自分にとって全部が全部良いわけではないのは当たり前。
それは分かっています。いるんですが、やっぱり少しだけ物寂しい気持ちになってしまうことが多くなっておりました。
以前のような曲を聴ける機会は今後限られるのかもしれないな、などと考えたりですね。
ですが、今回のライブイベントを見て、以前の桜庭統が消えたわけではないというのを確信することができました!
往年の名曲を更に進化させた今だからこそできるハイパワーなリアレンジ!
年齢を感じさせないダイナミックなパフォーマンス!
全てが健在であると間違いなく言えます!!
桜庭さん自身も公式サイトにて「ライブで得た刺激を作曲の方に活かして行きたい」と語っておられましたし、今後は更に進化した楽曲を聴くことができると期待しております!!
これからもスターオーシャン、そして桜庭統のファンで在り続けます!!
どうか僕達を楽しませてください!!全力以上で楽しみます!!
書きたいことは山ほど溢れてきますが、長すぎてもアレなのでライブの感想は一旦これくらいに収めさせて頂こうと思います!!
最後に桜庭さんのオススメアルバム『Passage』を張っておくので皆さん聴いてください。
まだ(僕の知り得る限りでは)一度としてライブで演奏されたことがないこのアルバム。いつかライブで聴けたらなぁと思っています。